玲編 連戦
そうして<昆虫型の獣>の鉤爪から逃れた
生身の地球人など、それこそひとたまりもない。
なのに、<昆虫型の獣>は、まるでカブトムシなどの甲虫のように羽を広げ、飛び上がった。いや、『跳び上がった』か? 完全な<飛行>ではなかったんだ。おそらく体が重すぎて飛べないのだろう。しかし脚の力と合わせて体を空中高く跳び上がらせることはできるようだ。
けれど、
が、残念ながら今回も届かなかった。以前、
思いきり跳び上がったことで体が伸び切り、しかも加減を考えなかったのか
「ブギャッ!!」
と声を上げながら頭から地面に落ちた。そしてその隙を、<昆虫型の獣>は見逃してはくれなかった。
バギッ!!
と音を立てて首の骨を噛み砕いてしまう。勝敗はそこで決した。
「ギュエッ! ギュ……ッ!!」
首の骨を砕かれた
だが、<昆虫型の獣>は、警戒を解こうとはしなかった。何しろその視線の先にいたのは、
すると
その事実を
この辺りのセンスも圧倒的だろう。しかし、<昆虫型の獣>も半端じゃなかった。再びカブトムシ辺りの甲虫を思わせる羽を広げて空中で姿勢を変え、躱してみせたんだ。
どうやら、その羽は、跳躍のためだけでなく、空中での姿勢制御などにも利用しているらしい。
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