灯編 エピローグ

新暦〇〇三五年八月一日




こうしてとうとう、あかり久利生くりうと結ばれて、名実ともに、


久利生くりうの三人目の嫁>


ってことになった。


事を終えたあかりはそれはそれは艶っつやのだらしないにやけ顔で。


「いや~、これならもっと早くに経験しておくべきでしたな♡」


とか言い出す始末。


実は、男性とそういう関係になること自体に二の足を踏んでいたというのもあったらしい。ホントにあけすけで性に関しては無頓着なところもあるあかりだったが、それは結局、『そういう面では子供だった』ということか。


でもまあ、だからと言ってすごく<恥じらい>みたいなことに目覚めたかと言えばそんなこともなく、割と平然とどこでも裸になることもある。だから元々、感覚が野性寄りなんだ。『異性を求める』って面で奥手だっただけで。


そして久利生くりうを相手に開花したあかりは、毎晩、彼を求めるようになった。


で、


<最初にあかりとビアンカと久利生くりうのために建てた家>


は、ルコアと未来みらいのための実質的な<子供部屋>に。


<ビアンカと久利生くりうの愛の巣>


だった家は<ビアンカと黎明れいあとケインの部屋>に。


そして、


<ケイン達の育児部屋へと連なる前室>


だったものを<あかり久利生くりうの愛の巣>に。


さらに、


<ケイン達の育児部屋>


はそのまま<イザベラとキャサリンとセシリアの部屋>に。


<イザベラとキャサリンとセシリアの部屋>についてはもちろん、直接出入りできるドアも用意した。これは元々ついていた<もう一つのドア>を使えるようにしただけのものだが。


ちなみに、<あかり久利生くりうの愛の巣>は内装工事の際に防音効果の高い壁材を改めて設置してる。


あと、イザベラとキャサリンの<担当>は、テレジアが引き継ぐことになる予定ではある。確実な引継ぎのためにもうしばらくはセシリアも残るが、問題ないと判断できたら、こっちに帰ってきてもらうことになるだろう。


エレクシアとイレーネがいればこっちも何とかなってたが、実は今度はれいが成長したことでちょいと手が必要になってきたんだ。


これについてはまた後ほど触れることにしよう。




いずれにせよ、<ビクキアテグ村>も順調に大きくなりつつあると思う。


あかり


『私がビアンカと久利生くりうをまとめて幸せにする!』


と大口を叩いたんだから、責任は重大だぞ。ビアンカと久利生くりうが幸せになるだけじゃ駄目なんだ。あかり自身も幸せにならなきゃ、それはビアンカや久利生くりうにとっての幸せじゃない。


このことを忘れるなよ。


これが、父親として娘に送るアドバイスだ。


でも、取り敢えずはおめでとう、あかり








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