灯編 姉妹
二人とも根は頑固者で一度『こう』と決めたらテコでも動かない部分を持ちつつ、頭の回転は速くて損得勘定はちゃんとできるタイプなんだよ。だから譲ってもいい部分はスパッと譲ることもあるし、妥協だってする。
そして何より、家族や仲間を攻撃しない。と同時に、家族や仲間を脅かす脅威には容赦はないんだ。
本当に頼りになる娘達だよ。
すると、自分の母親とよく似てることを察したのか、しばらくすると
「ねえねえ、
「もうしゃべったりする?」
そんな問い掛けに対しても、
「いや~、私も直接はまだ会えてないからよく分かんないんだよね」
変に誤魔化すことなく素直に応える。その上で、
「でも、ビアンカの様子を見る限りじゃ、いい感じみたいだよ。しゃべるのはまだだけど、もう少ししたらしゃべったりするかもしれない。それから<家族>をちゃんと認識できるようになったら外に出ても大丈夫になると思う」
とも答えた。
「おーっ! そっかあ!」
「よかった!」
そして皆で一緒に昼食にして、日が傾き出した頃、
「お、じゃ、そろそろ帰らなきゃね」
「え~…?」
「そっかあ……」
「大丈夫、またそのうち遊びに来るから」
穏やかに語り掛け、
「うん……」
「そうだね……」
「う~……」
ちゃんと承諾をもらって帰っていった。ミレニアムファルコン号を背負い、わずか数歩で飛び立ち、見事な離陸を決めて。
そんな彼女ももう実年齢じゃ二十七。治療カプセルを使った全身メンテナンスで若々しい体を保ちつつも、正直なところまあまあいろいろ気になる時期には差し掛かってる。
このまま子供を生まないならそれでも別にいいんだが、生むのならそろそろ負担も大きくなってくる可能性もある。
でもまあ、どういう選択をしようとも、その時はその時だ。ロボットも充実してきて、受け入れ態勢は十分に整ってるさ。
「
とも言ってくれてる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます