灯編 それができる人間
『
『万が一の時には私もいる』
というだけの意味だ。何が起こるか分からないからな。今のビクキアテグ村の様子を見てればそんなことは有り得ないと思うものの、
『結婚して家から出て行ったらもう赤の他人だ』
なんてのは、あんまりにも寂しいだろう? 俺だってそんなつもりはさらさらない。だからパルディアの
家族は何がどうなろうと家族だよ。俺はそう思ってる。
ただ、その一方で、パパニアンの母親から育児放棄された
<一緒にいない方がいい家族>
ってのも現にあるのは分かってる。それを、
『家族だから一緒にいるべきだ!』
とは言わない。だが俺は、自分の家族を<一緒にいない方がいい家族>にはしない。そういうことなんだよ。
『たまたま同じところに巣を構えただけ』
だしな。かつて、実家から出て行かない子供のことを、<コドオジ>とか<コドオバ>という言葉で揶揄したらしいが、自分のことを自分でしてるなら赤の他人が口出しすることじゃないだろう。まったくもって、
『他所様の子供をバカにするとか、お前はいったい何様だ?』
って話だ。何の権利があってそんなことをする? <言論の自由><表現の自由>は、無責任な戯言を垂れ流していい権利を保障してるわけじゃないぞ。
なにより、
『自由には責任が伴う』
ことを忘れるな。
「家に着いたよ~ん♡」
ビクキアテグ村に帰還した
「そうか。それはよかった」
俺は笑顔でそう応えた。ビクキアテグ村にいる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます