新編 異性への想い
モニカやハートマン、あんずやますらおは、イレーネに比べればずっと人間臭い反応も見せる。しかしそれは、
『セシリアの控えめな反応よりはちょっとだけ砕けた感じ』
というだけに過ぎない。そこに<心>はないんだ。
人間は、人間に似た反応を見せるものについてはついつい<心>の存在を見出そうとしてしまうらしいが、点が三つ逆三角形型に並んでいると<顔>に見えてしまうという<シミュラクラ現象>に似たものが、心理面にも存在しているとも言われているな。それっぽい反応をするだけでそこに<心>を見出そうとしてしまうとか何とか。
しかし、<シミュラクラ現象>でいくら顔に見えてもそれは顔じゃないのと同じく、<心>のように思えても<心>じゃないんだ。
なので、ロボットの役目は受け継いでいってもらう。
と同時に、何もかもロボット任せにするのも違うから、できることは人間がするようにも心掛けるけどな。
それを察してくれているのか、
『自分は傍にいる』
というのを、示してくれてるんだ。
これも、相手によっては何が適切なのかは、違うだろう。言葉によって慰めてもらえた方が届く者もいれば、それこそ抱き締めてもらった方が癒される者もいると思う。でも、
今度は、
それが、<異性への想い>へと変化していくのかどうかは、まだ分からない。今はまだ、あくまで<姉弟>としての気持ちかもしれない。
でも、どうなっていくにしても、
ロボットに任せきりにするんじゃなく、可能な限りは、人間同士で何とかしなくちゃな。まあ、現状では
なら、俺達がやるべきことは、
家族の中でそれができるのなら、赤の他人に迷惑を掛けることもないだろうさ。
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