ビアンカ編 職業軍人
「……テロリストの子供達の目が、頭をよぎりました……
「そうか……」
ビアンカと
彼女が軍人として、テロリスト相手の戦闘を何度も経験してきていることを。そしてその中で、彼女は、テロリストとして銃を向けてきた少年兵を撃ったことがあると……
「撃たなければ、私が死んでいました……私じゃなくても、仲間が死んでいたかもしれない……だから、引き金を引いたことは後悔していません……でも、命が尽きるその瞬間まで、私に強い憤りを見せていたあの目が、今も頭から離れないんです……」
いくら、実際にその経験をした<オリジナルのビアンカ・ラッセ>とは厳密には<別人>であっても、記憶はオリジナルのそれと同じものを持っているのも事実。
<オリジナルのビアンカ・ラッセ>も職業軍人として任務に忠実だったという彼女ではあるが、それでも、オリジナルの方も含めて、ビアンカは人間だ。機械のように割り切れはしない。
心を持たないロボットなら、そんなことをいつまでも引きずったりしないのにな……
「辛いなら、無理をしなくてもいい。君はもう軍人じゃないんだ……」
ビアンカを抱き締めながら、
だから本来は、軍人であったことに拘る必要もない。
けれど、彼女は、
「……」
静かに首を横に振って、言った。
「いえ、これは私自身が決めたことです。
最初は、ただ、『レオンだから』ということだったのかもしれない。自分が気に入ってるレオンという種族の子供だから情が移っただけかもしれない。けれど、実際に対峙して、
彼女がそう覚悟するのなら、俺達はそれをサポートするだけだ。
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