ビアンカ編 努力しない言い訳

人間(地球人)の社会では、残念なことに、


『理不尽な扱いを受けて辛酸を舐めてきた』


というのが、それこそ日常の中にも当たり前にいただろう。そういう者達が、


『自分もやられたんだから、お前らも同じ目に遭え』


とばかりに他人に対して理不尽に振舞う事例がそれこそ数限りなく無数にあったと思う。<イジメ>なんてのも、結局は、自分が受けたストレスを他人に転嫁する行為だということも判明している。


だとすれば、


『他人に転嫁せずにいられないほどのストレスが掛からないようにする』


のが大事だと思わないか?


無論、『何一つストレスが掛からない』なんていう環境は有り得ない。ましてやここでは、<死>が隣り合わせだしな。


しかし、だからこそ、元々そこにあるストレスとの向き合い方を学べば、なにもわざわざ改めてストレスを掛ける必要もないだろう?


『ストレス耐性を得るためにわざとストレスを掛ける』


なんて詭弁は、成立しない。


意図的にストレスなんか作り出さなくても、日常のあらゆるところにストレスは転がっていて、ストレスの対処法を学ぶ機会は無数に存在するんだ。


自分のストレスを転嫁する言い訳に『ストレス耐性をつけるため』なんて詭弁を用いるとか、大人として情けないことこの上ない。


一方、延々と、


『精神を鍛えるため、ストレス耐性をつけるため、などと称して自分のストレスを他人に転嫁してきた』


なんてことが行われてきた人間社会では、どうしても、


『自分は散々辛い目に遭わされてきたのに、自分だけが我慢しなきゃならないとか、不公平だ!!』


とか考えるのがいなくならないだろう。だから<負の連鎖>を止めるのが難しいのも分かる。


が、ここにはそもそもその<負の連鎖>がない。子供達は虐げられてきてないから、『やられたらやり返す』必要もない。自分が虐げられてきたのと同じことを次の世代にする必要もない。


さらには、人間は、大切なことを次の世代に完全に伝えきる前に命が尽きたりすることもあるものの、ロボットは、必要なことを、忘れることなく認識がすり替わることなく確実に伝えていってくれる。補足してくれる。


せっかくのこの状況を活かさないわけにはいかないだろう?


攻撃性や攻撃力は、<埒外の外敵>や<脅威>に対してだけ向ければいい。仲間に向ける必要はない。向ける必要のない環境を作る。理不尽な振る舞いをする必要がない環境を作る。


それが俺達の<目標>であり<役目>だ。ルコアや未来みらいの存在は、まさにそれに向けての試金石だな。


無論、何度も言うように、必ず上手くいくとは限らない。限らないが、それを<努力しない言い訳>に使うのは、大人として情けないだろう?


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る