モニカとハートマン編 道具であり相棒
ルコアの正式な移住を歓迎するパーティも終わり、彼女はビアンカと一緒に風呂に入ることになった。
村には元々、ビアンカのための風呂を用意してあったので、ルコアもそのまま入ることができる。
で、さらに今日は
「よろしくね~♡」
和やかな
「はい……」
ちょっと戸惑いながらも受け入れてくれた。
この辺りは当然だな。
なお、モニカとテレジアも、<補助>ということで一緒に浴室に入る。アリスもドライツェンも、メイトギアほどではないにせよ防水防湿を施してあるので、入浴の補助も可能だ。と言うか、そういう、人間の生活全般を補助するのが目的のロボットだから当然ではある。
で、当たり前のことだが、風呂での様子については詳細には分からない。
でも、
「楽しかったよ♡」
と
ただ、こうなると、
ああでも、俺も似たようなものだったかな。良好なハーレムというのは雌同士の関係もいいみたいだし、そういう意味では雄は<ある種の異物>でもあるのか。
これも<ハーレムを持つ雄の宿命>かもしれない。
なお、そうやってルコアがビクキアテグ村に馴染んでいく舞台裏で、モニカが実に献身的に働いてくれていた。ルコアの部屋の掃除を行い、ベッドメイキングを行い、服がほつれていたらそれを繕い。
ルコアの心理面のサポートを行っているのがビアンカだとすれば、それ以外の生活面をサポートしてくれてるのがモニカだ。モニカの働きがあればこそ、ビアンカもルコアに集中できる。
<縁の下の力持ち>とは、まさにこういうことを言うんだろうな。
そのために作ったとはいえ、バッチリはまっていて俺も感慨深いよ。
だから、通信越しではあるものの声を掛けたんだ。
「ご苦労様。感謝している」
ってな。
「いえ、これが私の役目ですので、お気遣いなく」
初期状態よりもかなり愛想よくなってきた返事に、なんとなく<可愛さ>も感じられようになってきたかな。
あくまで<道具>ではありつつ、同時に人間の<相棒>でもあるロボットとしていい感じになってきたと思うよ。
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