モニカとハートマン編 喜びもひとしお
こうして、ルコアは、正式にビクキアテグ村の住人となった。
とは言え、さすがに村の改名はしない。実は、
「私はビクキミアテグ村に改名してもいいよ」
村を立ち上げた時のメンバーが、ビアンカ、
「んじゃ、ルコアの正式な参加を記念して、かんぱ~い!」
「乾杯」
「かんぱ~い!」
「乾杯…」
今も
「お~っ!」
それでいて、
「あーっ! がーっ!!」
まあでも、もう少し大きくなったらそれこそ関係なくなるだろうが。
ルコアも、
ちなみに、俺とシモーヌはモニカとハートマンが抱えるタブレット越しに参加している。
「いやはや、ここまでこれたのは、本当に良かったよ」
しみじみ俺が呟くと、
「そうだね。僕も同感だ。けれど、それだけに喜びもひとしおだよ。ルコアに認めてもらえたということだからね」
感慨深げに口にする。
実際には、ルコアは今でもビアンカにべったりなものの、それでも大きな前進には違いない。それに、
また、ルコアが落ち着けている要因の一つが、モニカとハートマンを一緒に連れてきたからというのもあるだろうな。テレジアとグレイは、同じアリスとドライツェンとはいえ、個性が生まれつつあるから、若干、印象が違うんだよな。
事実、ルコアは、テレジアとグレイにはあまり近付こうとしないし話し掛けもしない。
もっともそれも、一緒に暮らしているうちに慣れてくるだろう。
慌てることはない。
そしてこの陰では、メイガスがひっそりとクロコディアとしての暮らしに帰っていったりしたが、当然、ルコアには一切知らせていない。
それがメイガス自身の望みでもあったしな。
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