モニカとハートマン編 一緒に生きよう
正直、俺達は今のこの世界をほぼほぼ受け入れてしまっている。
『認知症などを発症しかねない状態で長生きするよりは、成り行きに任せる』
と考えることもできるようになってしまっている。
でも、ルコアは、まだまだ、
<人間(地球人)としての感性>
が強いんだろうな。例の不定形生物の中の世界で生まれたとは言っても、人間(地球人)の両親の庇護の下で育ってたわけだし。だから、<死>というものについて割り切れないんだ。
いや、俺達だって本当に割り切れてるわけじゃない。家族の死は悲しいし回避したいのは事実だ。でも、当人が望んでいない形での延命はどうなのか? って思ってるだけで。
しかもルコアは、
まったく…いい子だよ。ただ、それだけに、ここで生きるのは辛いかもしれないが。
それでも、ここで生きる限りは少しずつでも慣れていってもらうしかない。
そうだな。ルコアはまだ生まれたばかりなんだ。赤ん坊は、望まずこの世に送り出されて、様々な<嫌なこと><辛いこと><苦しいこと>に曝されつつ、徐々に馴染んでいくんだからな。ルコアも同じだよ。
しかもルコアにはビアンカがついてる。ビアンカがしっかりと彼女に寄り添ってくれる。
ついつい俺が何とかしたいと思ってしまうが、人間は『自分が』『自分なら』と思ってしまいがちな生き物だが、何もかもを自分一人でやるなんてことはできやしないんだ。何より、ルコアが信頼しているのは俺じゃない。ビアンカだ。だからビアンカに任せるべきなんだ。
で、結局、
ビアンカ専用ローバーに、ビアンカとルコアと、さらにモニカとハートマンが乗り込む。ルコアがビクキアテグ村に行くから、二体も一緒に行くことになったんだ。コーネリアス号については、ドーベルマンDK-aとドーベルマンMPMがいれば問題ないし、後に<あんず><ますらお>と命名されることになるアリス
その一方で、残された時間が少ないであろう
でも、それも含めて<生きる>ということなんだ。
ルコア、一緒に生きよう。世界には辛いことが無数にあるが、俺達は君を見捨てはしない。
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