モニカとハートマン編 連泊

ビアンカと久利生くりうの関係は、ルコアのことでしばらくお預けになっていたとはいえ、決して冷めたりしていなかった。久利生くりう自身がビアンカのことを愛してくれてる上に、あかりが何かと二人を焚きつけるようなことを言って常に意識させ続けたというのもあるのかもしれない。


『私がビアンカも久利生くりうも幸せにするよ!!


だからビアンカ! 久利生くりうと一緒に私のものになってくれ!!』


かつて二人の前でそう宣言したあかりの気持ちは今もまったく変わっていないんだ。ビアンカと久利生くりう、二人同時に幸せにならなきゃ意味がない。


あかりは本気でそう思っている。そのために努力してる。


だがそれが後々あんなことに繋がるとは、この時点では誰も予想してなかっただろうが、それについてはまた後程だな。


今はまずルコアのことだ。




ビアンカが帰ってきてルコアは彼女にすごく甘えた。体を彼女に巻き付けて抱き付いて。


そんなルコアに、ビアンカも満面の笑顔だ。


ああでも、これ以上は野暮だな。それにこれから一緒に風呂にするそうだし。


そんなわけで俺は映像を切った。


俺や久利生くりうへの映像配信を切ったことは、モニカの頭部に設置した表示灯によって一目で分かるようになっている。


ビアンカはそれを確認して、風呂とかの用意をしているそうだ。


この辺りも、軍人だったり惑星探査チームのメンバーだったりという経験が染みついてるんだろうな。


ここに現れた当時も、監視されることについてさほど抵抗なかったし。


そしてビアンカが堂々としてくれてるから、ルコアもそんなに気にせずに済んでると。




翌々日は、ルコアも一緒に、また、ビクキアテグ村に行く。ここまでの様子を確認して、いよいよ<連泊>だ。今回は二泊三日を予定している。


かなり慣れてきているはずだが、それでも、モニカが捉えたルコアのバイタルサインは、まあまあ<緊張>を表示していた。おそらく、ビアンカがいなければ拒絶する程度には。


特に、きたるに対して恐れを抱いてるらしい。


が、きたるはれっきとした<ビクキアテグ村の住人>。優先するべきはきたるであって、ルコアじゃない。ルコアが馴染めれば新たに住人になれるというだけだ。


どうしても無理だった場合には……


ルコアにはコーネリアス号に住んでもらうことになるだろうな。


今のところは。


しかし、ここまで慎重にことを運んできたのもあってか、最初の頃よりは随分とマシになったんだ。久利生くりうあかりに対してはかなり慣れてきてくれてると思う。


未来みらいのことも可愛いと思ってくれてる。


ただ、きたるが持ってる野性ゆえの険しい雰囲気が苦手みたいでな。野性なのはあん達も同じだが、<見た目>がやっぱり、クロコディアの方が怖そうなのは確かではある。


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