晴編 かっこいい父親
祖父である俺じゃなく、父親である
そんな理屈は別にしても、
ありがとう、
厳しくも懐の深さを見せる彼に、<かっこいい父親>の姿を見た気がするよ。
とは言え、それをそのまま人間に当てはめるとおかしなことになるんだろうけどな。マンティアンはマンティアン、人間は人間だ。混同しちゃいけない。
いけないんだが、うん、やっぱり『かっこいい』と思ってしまうのも正直なところではある。
一方、まだまだ未熟であることを思い知らされる形になった
怠惰に時間を過ごしそれで駄目だったら悔いも残るだろうが、その心配もなさそうだ。
俺がこれまでここで見てきた多くの命も、それぞれ、自分にできることを精一杯やってきたと思う。中には悔いの残る結果だったものもあるとしても、決して怠惰だったわけじゃない。
それは、
祖父として、心配ではあるものの孫を信じたい。
兄である
どちらが正しいとか、どちらが間違ってるとかじゃない。それぞれが自分でそれを選択したのなら、俺はどちらも『正しい』んだと思うんだ。
祖父として俺ができるのは、そんな孫達を見守ること。
これからも、つい、助け舟を出してしまうこともあるかもしれないが、それ込みで<俺という人間>だろう。
こうやって俺自身、子供達、孫達、曾孫達から多くのことを教わるんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます