來編 スタートライン
新暦〇〇三十二年五月十二日。
翌朝早々、
そして、
「ガアッ!!」
と吠えて、
「ガアッ! グアッ!! グアアッ!!」
すごい剣幕で掴みかかって、彼女を裸のまま外へと蹴り出した。
ちなみに、この時のビアンカの格好は、<裸>と言っても人間部分だけで、アラニーズとしての本体部分の服は着たままである。それでも問題なく愛し合えるしな。
なんにせよ、どうやらいい
「ごめん! ごめんって!
怒る
<想い>を遂げられて、心に余裕ができてたんだろう。
よっぽど
で、
性的に。
一方、
彼女も
自分は、二人が満たされてからでよかった。
それはある意味、
<ハーレムを構成する雌>
としては自然な姿だったのかもしれない。決して、
『男にとって都合がいい』
それじゃなくて、
<群れのまとめ役の雌>
としての、な。
そういう雌を味方につけてこそ、雄はハーレムを維持することができるんだろう。
なにしろ、一対一では確かに雄の方が強いことが多いものの、複数の雌が一度に、しかも雌同士連携して襲い掛かれば普通に雄だって負けることもある。
つまり、雌に認めてもらえなければ雄はハーレムを維持できないんだ。
これはれっきとした事実だよ。
そして雌は、利口でなければ良い雄を捉まえることができない。
この辺り、ひょっとして人間は失ってしまっているのかもしれないな。
親の俺が言うのもなんだが、
彼女ならきっと上手くこのハーレムを切り盛りしていってくれると思う。
で、
「どう?
「うん……」
と頷いたんだと。
まったく。いろいろやきもきさせられもしたものの、これでなんとか収まるところに収まったということか。
ただし、前にも言ったが、結婚というやつはあくまでスタートラインに過ぎない。彼女らの関係はここから本当に始まるんだ。
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