來編 デスロール
正直、こういう時はエレクシアがいてくれると、
『絶対にどうにもならない力の差』
ってものを見せ付けてくれるので逆に相手も引き易いんだと思う。
猛スピードで走るトラックに生身で突っ込む人間が、普通はいないように。いたとしてもそれは結局、命を捨てるためだから、死ぬと分かっていてすることだろうしな。
その点、生きることが目的のヤツなら当然『逃げるが勝ち』を選ぶだろう。
が、生身の
だから、狂乱状態にあるとそれこそ何とかなりそうな気がしてしまうのかも知れないな。
でも、残念だがどうにもならんぞ。
などと俺がそんな心配をしている中でも、
首筋に喰らいついて振り回し、近付くものは尻尾で叩き伏せる。
子供の頃、
正直、敵に回したら生身では遭遇したくないタイプだよ。
そんな中、
おそらく、自分にとって最も有利な水中へと引きずり込んでトドメを刺すつもりだろう。
そういうところはまさに<ワニ>だな。
喰らいついた
水深は膝までくらいしかないが、それでも陸生生物にとっては致命的な悪条件なのは間違いない。
そしてクロコディアにとっては、まさに自身の能力を何倍にも引き上げてくれるという、いわば、
<魔法のフィールド>
だ。
川に入った瞬間、
さらに早く、さらに滑らかに、さらに力強く。
その上で
<
である。完全に決まると逃れる術はないという。
実際、この時の
俺はモニカやハートマンの好感度カメラの映像で見ているからはっきりと分かるが、肉眼では、闇の中でただただ激しい水音が響いているだけだっただろう。
それはとてつもなく恐ろしい様相だったに違いない。
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