來編 新しい集落
自分の弱い部分を曝け出してでさえ
これでようやく<ありのままの自分>でいられるようになったからかもしれない。
だが、考えてみれば、野生なら雄とか雌とか関係無しに生きるために戦わなきゃいけないわけで、
実際、
『女性は一方的に守られる存在』
なんてのは、人間の勝手な解釈なのかもしれないな。
俺だって、正直、シモーヌに守られてる実感もあるし。
そんなわけでとにかく、
で、それはめでたいとして、
「じゃあ、コーネリアス号からは少し遠くなってしまうが、アリゼドラゼ村か、アリニドラニ村にするか?」
<
まあ、三人さえ良かったらここに残ってもいいんだが……
しかしそれについても、
「そのことなんだが、確かにコーネリアス号がもたらしてくれる恩恵を利用しないというのは、ビアンカと
だから、コーネリアス号から少し離れたところに、僕達で新しい集落を作りたいと思う」
と。
その申し出に、
「なるほど。そういうのもアリか」
俺もハッとさせられた。丁度、アリス参号機とドライツェン参号機も完成するところだ。それを連れて行ってもらえば集落作りも楽だろう。
それに、
「コーネリアス号の近くだったら、
ビアンカはすでに乗り気だ。
さらには、
「お~、いいじゃん。私達で好きに作れるってことだよね?」
まったく、タフな娘だなあ。
けれど、その逞しさは頼もしい。
「分かった。なら、まずは場所の選定だな」
腹が決まったのならごちゃごちゃ言ってても始まらない。俺はタブレットにコーネリアス号周辺の地図を表示させた。
それを、シモーヌ、
と、
「地図を見る限りではこのポイントが適しているように思うんだが、どうだろう?」
指を差しながら訊いてきたのは、コーネリアス号から五キロほど離れた、小さな川のほとりなのだった。
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