來編 熱に浮かされて
アリス参号機とドライツェン参号機は、完成間近だった。ボディそのものはすでに出来上がっていて、後は細かい部分の調整だけだ。
正直、エレクシアやセシリアやイレーネを渡すのは辛い。エレクシアは元々俺のものだし、セシリアは家事全般をサポートしてくれてるし、イレーネを母親のように思ってる
超絶イケメンであっても、これが現実だ。
きゃーきゃー騒ぐ女性が目立ってしまうから、
『女性は皆、イケメンに目がない』
という印象があるだけで、実際には、
『一口に『イケメン好き』と言っても好みのイケメンの系統も人によってそれぞれ違う』
さ。一人が全員に惚れられるわけじゃない。
そもそも、
『見える可視光線の波長の関係で透明には見えない』
クロコディアにとってはそれほど気にならなくても、透明に見えてる種族からしたらやっぱり奇異にも感じるだろうし。
シモーヌやビアンカは、ファンデーションで少しでも人間に見えるように工夫してるけどな。
が、
「見た目が人間に近い方がいいだろうからね」
ということで。
新暦〇〇三十二年五月九日。
一方、そうやって<
「どこにも異状ありません。完全に健康です」
エレクシアのお墨付きをもらって。
すると、さっそく、
「あ~っ!」
熱に浮かされて一時的にってわけじゃなかったのがこれで確認できてしまったな。
「はっはっは! 我が夫はモテモテだな! さすがだ!!」
法律がないので<法律婚>もなく、役所に書類を提出する必要もないことで、
だがまあ、それでいい。
その上で、自分のパートナーがモテるというのは、『価値が高いから』という証明にもなるのか、ご機嫌だ。
ただし、彼が他の女性ばかりを大事にしてて自分を見てくれないとなると、それはまあきっといい気もしないだろうな。
「はは……」
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