來編 即断即決
ビアンカは、アラニーズである自分のことをまったく特別視しない
人間がよく使う<親友>とかいう言葉では言い表せない、それ以上の、うん、やっぱり<家族>という言葉がたぶん一番近い感覚で見ていたと思う。
とは言え、同じ男性のことが好きになったとなると、やはり心中穏やかじゃないんだろうな。
肉体が変化し、あくまで野性が基準になるここの環境に適応してきたからって、機械じゃあるまいしそうそう完全には切り替わってしまわないのも分かる。
なので、精神的に不安定になるのも当然だな。
この辺りについては、当事者が時間をかけて落としどころを見つけていくしかないだろう。
アクシーズは、同じ相手とずっと添い遂げる事例もありつつ、
そして、ここに誕生することになる<人類>が婚姻についてどういう形式をとるかも、<
とは言え、もし、
が、
『あ、そう。じゃ、しょうがないね』
とかあっけらかんと受け入れそうな気もするが。何しろ、野生の場合は、『脈がない』と見ればとっとと次に行くのが自然な流れだ。自分を受け入れてくれない相手に執着してたら子孫を残せるチャンスがそれだけ減るだろう。そんな非合理的なことはしていられない。
まあ、他に相手がいない場合は拘るしかないだろうが、その辺り、
「子供は生めたら生みたいけど、ダメだったら別にそれでも構わないよ~」
とは言ってたな。
この辺りは、人間である俺の影響を受けてるのかもしれない。
ただ、
もっとも、
子供達も皆巣立って、
いやはや、さすがは野生。即断即決だな。
そういう意味ではビアンカが一番、ウジウジ悩むだろう。これについても、シモーヌやセシリアにサポートを頼まないとな。
ビアンカは俺にとっても娘みたいなものではあるものの、本当に<娘>ってわけじゃないから、俺があんまり首を突っ込むのも変だろうし。
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