來編 帰還
新暦〇〇三十二年五月七日。
翌日。
まあ、むしろ
そんなわけで、今度はスムーズにコーネリアス号まで辿り着けた。
「これは…さすがに二千年も経つと、ということかな……」
びっしりと植物に覆われて遠目にはただの<小山>にしか見えないコーネリアス号に、
けれど、実際に到着した時には、脇に設けられた墓地を参り、深くゆっくりと一礼した。
あの不定形生物に取り込まれた乗員らについてはある意味では『生きている』とも言えるかもしれないものの、それ以外の乗員達は完全に亡くなっているわけで。
と言っても、もし寿命を全うできたとしてもさすがに二千二百年以上前ともなれば、もう誰も生きてはいないけどな。
そして、
「自分の墓に参るというのも、奇妙な気分だね」
自身のオリジナルである<コーネリアス号乗員・
シモーヌやビアンカはもっと複雑そうにしていたものの、
そんな
昼間なので基本的には休んでる時間なものの、さすがに見慣れないのがいると警戒はするか。
ただ、すっかり仲良くなったビアンカが一緒ということもあってか、警戒レベルはそれほど高くないようだ。
『なんかまた変なのが来た…』
くらいに思ってるだけかもしれない。
「おかえりなさいませ」
モニカ(アリス初号機)とハートマン(ドライツェン初号機)が声を揃えて
「ただいま」
今日はあくまで
昨日、採取した様々なサンプルを手際よく分析器に掛けていく
『らしい』というのは、
そして分析を待つ間に、
乗員達の個室がある辺りについてはセシリアが掃除しただけであまり触れていないものの、トレーニングルームや食堂などについてはもう必要ないという判断の下、設備やパーテーションなどを解体して資源化し、様々なものを作ってきた。だからもう、今では見る影もなかったのだった。
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