來編 久利生遥偉
しかし、つくづくエレクシアの役回りって、
<スーパーヒーロー>
のそれだよなって思う。
誰かのピンチに颯爽と現れて、スーパーパワーで強引に事態を収束させるという意味で。
そして今回も、<
一旦、木の枝を蹴って減速。そうしてふわりと地上に降り立つ。
泥まみれの男性を<お姫様抱っこ>した状態で。
「ありがとう。助かったよ」
<
さらに、
「私の名は<
本人がそう名乗ったので、彼が
にしても、目の前のエレクシアに話しかけているようにも見えつつ、実際には彼女を通して見ているであろう<主人>に対して話しかけているのが分かる。
メイトギアの役割と機能を完全に承知している人間の振る舞いだ。
意識が戻ったと思ったら水中で、しかも人間に近い姿をした<怪物>に襲われて有無を言わさず戦闘になり、さらに突然現れた正体不明のメイトギアを前にしてこの態度。
とても人間のメンタリティとは思えない。
だが、これが
軍人らしく髪は短く刈り、しかし物腰柔らかく、かつ毅然としていて、甘いマスクで男女問わず相手を魅了する。
<チート>か? いわゆる<チート>ってやつなのか!?
まあそれは冗談として、エレクシアは、自身がロボットであることを活かして、本体側はしゃべることなく、タブレットを通じて俺に、
「要救助者がマスターとの通信を求めています。許可しますか?」
と告げてきた。
う~む。なんか緊張するな。シモーヌの時はそれどころじゃなかったし、彼女もパニック状態だったから俺が冷静に振舞わないといけなかったものの、こんな風に超然とした態度でいられるとどう接すればいいのかちょっと戸惑うよ。
でもまあ、それこそ普通でいいんだろうな。普通の態度で。
というわけで、俺も、
「よし、俺が話そう」
そう決意し、エレクシアの口を借りて、
「初めまして。
と話しかけたのだった。
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