來編 朋群人
新暦〇〇三十二年五月二日。
ところで、<パートナー>と言うと、
「う~ん、自分でも最初はそうなるかなって思ってたんだけど、な~んか、ピンと来ないんだよね。
やっぱ、<弟>って感じなのかも」
ってことで、どうもそういう方向には行かないようだ。
しかし、
『うずいてくる感じがしないんだ』
とか、表現が直接的だな!
若い娘が、って、俺からすればまだまだ子供みたいな年齢ではあるものの、アクシーズの基準で言えばもう十分以上に<妙齢>と言えるのか。
でもまあそれでも、あんまりあけすけなのはどうかと思うぞ、お父さんとしては。
ああでもこれも、<種>の違いからくるものだと考えれば、俺の感覚を一方的に押し付けるのは違うんだろうけどな。
人間の価値観を押し付けちゃダメか。
<
が……
<
う~む、どうにも語呂がいまいちな気がして仕方ないな。やっぱりこの辺は改めていい感じのを考えてもらった方がいいかもなあ。
いかんせん俺はネーミングセンスがないし。
ま、それについては今後の課題だな。
あの子をこの世に送り出した張本人として。
なんてことを思ってると、急に空が暗くなって、
ドカーン! ガリガリバリバリーン!!
と落雷が。
「キャーッ!」
家の中から聞こえてきたあの悲鳴は
ここに雷は落ちないと分かっててもあれほどの雷鳴は子供にとっては怖くて当然か。
と思ったら、
まあ無理もない。
見た目にはローティーンくらいに思えても、実年齢はまだ一桁だし。
ところで、今回はまた、河に落ちたようだ。といっても、俺達にとって馴染み深い、コーネリアス号へのルートになってる河じゃなく、ここを挟んで反対側にある河だけどな。
そちらにも当然、ドローンは配置してるので、カメラで確認すると、魚だけじゃなく、クロコディアも何人か被害に遭ったらしい。水面に浮かんでピクリとも動かないまま流されていくのが分かる。
犠牲になったクロコディアのことは悼みつつも、
だが―――――
「アラート!」
ドローンカメラの映像を受信していたエレクシアが、突然、声を上げた。そして。
「人間です!」
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