翔編 不気味の壁
久しぶりに
なにしろ家の一部があいつらの<住処>になってるだけで、食事とかは自分で勝手に済ませてくれるしな。
二人にとっては今の暮らしが幸せなんだろうなとは、見ていても感じる。
だから俺からはあれこれ言うつもりもない。
ところで、
ただ、その一方で、寝床用の毛布とかが古くなって臭いが強くなってきたりすると自分で密林の中に捨てに行っている。それでいて、掃除も、人間基準であんまり丁寧にやるとかえって居心地が悪くなるみたいで、毛などを掃除機で吸ってもらって軽く消臭スプレーを振るくらいにして、臭いが強くならない程度で済ませるようにセシリアに頼んでる。
そのあたりの曖昧な指示も、メイトギアは酌んでくれる。
セシリア達が現役だった三十八世紀頃にはすでに、そこまでの域に達してたということだ。
ついでにその辺りにも触れると、メイトギアが一般に普及した二十三世紀から二十五世紀頃にかけてはこの辺りでまだ細かい指示を与える必要があったらしいな。
普段の様子もやっぱりエレクシアは元よりセシリア達と比べても明らかに<ロボット然>としていたとも聞く。笑顔も今よりずっと嘘っぽかったのかもしれない。
まあ、それでも当時は最新技術だったわけで、すごかったんだろう。
それよりさらに昔、二十一世紀頃の、人型のロボットがまだ<アンドロイド>と呼ばれてた頃の映像がテレビで紹介されてたが、そこまで行ってしまうと、もはや恐怖映像だったしな。ホラーだよ、ホラー。<不気味の壁>とは、あれのことだったのか。
よくぞまあその壁を超えてくれたと思うよ。
ただ、それでも昔の俺みたいにメイトギアの笑顔を毛嫌いする奴はいるけどな。
もっとも、そっちの方は、相手が人間でも普通にあることだと思うんで、<不気味の壁>とは別の話のような気もするが。
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