翔編 そういう形で
新暦〇〇三十年十二月二十日。
今日は、井戸掘りマシンが井戸を作ってる状況を家でモニターするだけにして、代わりに、
「お~し! 行くぞ~!!」
まあ、<惑星探査スタッフ>としての経験は<コーネリアス号乗員、ビアンカ・ラッセ>としての記憶を持つビアンカの方が上だろうけどな。
しかしビアンカとしても特に異論はないそうで、
「はい、それで結構です」
と言ってくれた。
「いってらっしゃい」
「気を付けて」
「いってらっしゃい」
「いってらっしゃ~い♡」
「いってら~♡」
俺とシモーヌと
エレクシアとセシリアはメイトギアらしく一歩下がって見送ってくれた。
屋根の上では、
だが、それでいい。俺達の感性に合わせろとは言わない。その必要もない。攻撃さえしないでいてくれたらいいんだ。
それに、
しかも、家の掃除とか片付けとかもやってくれるんだ。知能そのものはまだ十歳児に届くかどうかって感じらしいからそんなに気の利いたことはできないものの、決められたことを決められたとおりにはできるようになってる。
加えて、ビアンカが外にいる時は家の中で、彼女が自分の家の中にいる時は外で、子供達の相手もしてくれてるし、ちゃんと<お父さん>してくれてるよ。
『できること』というのはそれぞれ違う。無理に揃えようとするからつまらない軋轢が生まれる。できないことはできないでいいんだ。できることを頑張ってくれればそれでいい。
俺達の家族はそういう形で生きていく。
ただ、もし、それとは違う生き方をしたいと考えるのが出てきた時のために、他にも集落を用意しておくんだ。
チーム
俺は井戸掘りマシンのモニターと今後の開発計画のまとめ。
シモーヌは
エレクシアは家のメンテナンス。
セシリアは家事全般。
と、それぞれの仕事に戻る。
もう結構いい歳、はっきり言ってしまえば<初老>と言われるくらいにはなったはずの
井戸掘りマシンをモニターしつつ、
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