明編 罠
本人が望むならな。
望んでないのなら、そりゃもう任せるしかない。
と自分に言い聞かせ、今日も
見守りながらも、一歩引いた形を保つことを心掛ける。
それでも毎日の墓参りは欠かさないぞ。
めそめそ泣いたりはしないものの、これはもうそれ自体が、習慣だからな。
新暦〇〇二八年九月十二日。
木の幹に張り付いて一体化し、気配を消す。
すると、視界に入っていても気付けない。俺が見てる画面では画像解析された状態で表示されるから分かるだけだ。
たぶん、肉眼で見たらまったく気付かないだろう。
そんな
すると一瞬で、その鳥の姿が消えた。と思うと、
残酷に見えてもこれがマンティアンというものだ。
そして完全に動かなくなると、まだ食べられるところが残っていても興味が失せたように放り出してしまう。
で、マンティアンの食べ残しを、他の小動物や鳥が頂くというわけだ。
おこぼれにあずかるために、食事中のマンティアンの周囲には様々な動物が集まってくる。ただし、命懸けであるが。なにしろ、そのまま次の獲物としてロックオンされることもあるわけで。
この時も、
ある意味、<罠>にもなっているのかもしれないな。
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