誉編 日々 その2
他の群れとの小競合いが生じ、
しかし
ボスに就任してからはまだ日は浅いものの、これまでにも散々対処してきたことだけに、ある意味ではあいつにとっての<日常>と言っても差しつかえないだろう。
とは言え、本当に些細なものであればボスである
それに応じ、
そうして
双方のボスが駆け付けたことで、さらに緊張感が高まる。
共に若い雄が前に出てなおも牽制が続く。
その後ろで
これまでにも何度か顔を合わせているものの、
すると、相手のボスが
だからか、自分の群れの若い雄を押し退けて前へと出てきた。ボス同士の一騎討ち望んでいるのだ。自分の手で早々に決着をつけようと考えているかも知れない。
それを受け、
あいつにしてみればまさに望むところだっただろうな。だから一気呵成に奔った。
自分を舐めているうちに決めてしまおうということだろう。
若気の至りとばかりに前に出てくる
だが、それこそが
掴みかかってきたボスの腕を取り、体をひねりながらわざと一緒に地面へと落ちていく。
「あいっ!?」
思わぬ攻撃に、相手が素っ頓狂な声を上げた。そして咄嗟に逃れようと足で枝に掴まる。
が、そうしたことで逆に
「ぎーっっ!!」
と悲鳴を上げた。
正直、かなり情けない感じの悲鳴だっただろう。ボスとしては、な。
勝負はその時点で決していた。腕を痛めた相手のボスは戦意を失い、一応、戦おうとはしているらしいが、はっきり言って逃げ腰だった。そのボスも、決して弱いボスではなかったはずなのだが、メイフェアに戦い方もみっちりと仕込まれた
彼にまんまとしてやられたという訳だ。
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