どうしても必要だからって(やってる訳でもない)
新暦〇〇二一年六月十七日。
さすがに河にいるような大型の魚は入ってこないものの、人間が食べる分には手頃な大きさの魚が住み着いたので、せっかくだから釣り堀よろしく小さな漁場として残すことにした。埋め立てて普通に二人のための<墓>にしようかとも思ったんだが……
人工の池でも、長くそのままにしておけばそれもやがて自然の一部になっていくということか。
で、調査が休みの日には、俺はそこで釣り糸を垂らすことが多くなった。しかも生きていく為に必死にやる漁じゃなくて、殆ど余興だから、これじゃ本当に<釣り堀>だな。
でも、なんだかこうしてるとホッとする。
ボケッとするのもよし、考え事をするのもよし、釣れても釣れなくてもよし、だったんだが、思った以上によく釣れてくれる。
すると
「こうやるんだよ、
と、釣竿を握らせて自分の真似をさせようとするんだが、もちろん、
ただ、
とは言え、長時間、ぼんやりと待つというのはさすがに飽きてしまうのか、しばらくして釣れないと釣竿で水面を叩いたりして遊び始めてしまう。
だが、俺は敢えてそれをやめさせたりはしなかった。
「あ、こらこら、ダメだよ!」
と
「いい、いい、好きにやらせてやれ。これは元々の
って感じで、逆に制した。
どうせ、どうしても必要だからってやってる訳でもない釣りだ。
野生の
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