何が幸いするかなんて(どうせ分からない)
新暦〇〇一八年六月一日。
<意中の雌>である
なので、振り向いてもらえてないとなればなおのことかもしれない。
ただ、中学生くらいの体格でこれをやられると、家が大変なんだよなあ。
さりとて、それをやめさせるのも何か違うと思うから、壊れればただ淡々と直す。それだけだ。どうせ「壊すな」と言ったところで理解もできないだろうし。
そうだ。
それについては、エレクシアが言っていた。
「古来、人間以外の動物によって育てられた子供の事例はいくつか確認されていますが、いずれも、<社会復帰>という点においては厳しい結果に終わったと言わざるを得ないでしょう。特に、言語については十分なレベルに達したという明確な資料はありません。良くていくつかの単語を不明瞭な発音ながら辛うじて口にできる程度であったようです。
これは、脳の活動が非常に活発である乳幼児期に人間としての言語に触れないと、たとえ人間として十分な機能を有した脳を持っていても、具体的な<言語>というものを理解できるようにならないということを示していると言われています。
ただ、
厳しい内容だが、俺としても異論はなかった。そうなるだろうということは、詳しい知識のない俺でも察せられたからな。
だが俺は、別に、
俺も今、こうしてることを後悔はしていない。やけっぱちで夢色星団に飛び込んだが、結果的にはそのおかげで満たされてる。
何が幸いするかなんてどうせ分からないんだ。なら、なるべく幸せになれるようにしたいもんな。
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