ブルームーン

姫亜樹(きあき)

ブルームーン

真っ暗の闇の中

薄いべにをまとい

月が漂っている


人々の家から洩れる

光の中からは

賑やかなテレビの中の

笑い声だけが聞こえてくる

暖かな団欒の笑い声じゃなく

遠い世界の笑い声が響いている


薄っぺらな日常は

風に飛ばされそうで

ボクらは見ず知らずの不安に

心を掻き乱される


静まり返る夜の闇

十五夜の月に

手招きされた非日常の中

振り返った現実は

やわらかな光に包まれるように

ボクらに世界を開いていた


ただ、そこにある世界

それがボクらの日常

それがボクらの心を揺り動かすもの


月が闇に浮かんでいる

ボクらを未来へ誘う

希望のように

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ブルームーン 姫亜樹(きあき) @Bungo-2432Da

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