とにかく、のんしゃらんのスイーツが美味しそうなところが魅力的です。
のんしゃらんに通いつめている藤原は何やら裏がありそうですが、そんな闇の部分と、パティスリーの優雅できらびやかな雰囲気が絶妙なバランスを保っています。
また、描写が巧みで、文章そのものも味わい深いです。
『お嬢さんは中等部の図書委員だ。(中略)ポップアップ絵本から飛び出したかのごとく』
図書委員→本→ポップアップ絵本、と連続したイメージのものが比喩に使われており、小説を読む楽しみはこういうところにあるなぁと思わされました。
狙って書かれているのであればすごいですし、無意識だとしてもそのセンスに脱帽です。