砂漠民族の得意魔法は火か水か
ファンタジー世界は人の流通が活発で、色々な人が主人公の目の前に現れます。逆に主人公が様々な地域に出かけていくという事もあります。
そんな中で、他人種が扱う魔法の様子を見ると、魔法がどう発生したのかを考えることができます。
・特産品で生み出される技術
・不具合を克服するための技術
・魔法の設定と政治体系
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・特産品で生み出される技術
現実世界では技術の発展にいくつかのルートが見られます。
一つは身の回りにあるものを利用して技術が発達する点です。
建物はその傾向が強く出ます。良い石が出れば石造りの建造物が発達しますし、木材が豊富な土地であれば木造建築になります。馬があれば騎馬隊が発達し、鉄が豊富に出た土地では大砲が発達します。海辺の民族は魚を取るために船が発達し、交易につながっていきます。
ファンタジー小説でも、寒い土地に住む種族は氷の魔法を使いますし、谷や草原の民族は風魔法を得意としています。
ファンタジー世界では地形に対応した属性の魔力がその土地に満ちているとされる設定が多く、その場に合った物を利用して技術が育っていたのだと考えられます。
・不具合を克服するための技術
もう一つは必要に駆られて発達する方法です。例えば、寒い地域では防寒着や寒さに強い建物が発達し、暑い地域では水の利用や湿気や日差しに強い建物が発明されます。
こう考えると、寒い地域や湿った地域では暖を取ったり容易く火を起こすために、火の魔法が発達するでしょうし、砂漠では水を利用するために技術が発達するのではないかと考えられます。
つまり雪山に住む種族が火の魔法を育て、砂漠にすむ種族が水の魔法を育てるのではないでしょうか。
野生動物やモンスターであればその場に適応した姿に進化したり、自分の体質に合った土地に移動するのでそのようなことは考えにくいですが、これが人間であれば環境の不利を克服する技術を魔法として開発することも考えられるはずです。
例えば火が水の魔法で打ち消せる世界だとして、砂漠のモンスターが炎を吐き出してくるのであれば、その対応策として水の魔法が必須となるとしても不自然ではありません。
・魔法の設定と政治体系
もちろんこれは設定の範疇ですので、どちらがどうという話ではありませんし、他の魔法に関する設定と合わせて考察しなければいけません。
例えば魔法を使うのに対応した属性の魔力が必要になるとした場合は、その土地にあった魔法しか発展しないだろうし、その他の不都合は現実世界と同じように他の技術で克服するしかないでしょう。
ただそうしてしまうと、魔法で不便を克服できない可能性が出てきます。
治療の魔法が水属性だという設定が更に付け加えられた場合、砂漠の国の人間は回復魔法を扱うことができませんし、一方で薬草学が湖(水属性)の国よりも発達する可能性がでてきます。
魔法が先天的な才能によるものだとする世界も良くありますが、そういった世界の地理や技術史、政治体制は独特なものになることでしょう。
乾燥地帯にある非常に暑い国では、日陰と水と植物が権力の象徴となります。月がシンボルとされることもよくあります。例えば中東で発達したイスラム教も月と星をエンブレムとしています。
おそらくファンタジー世界に行っても同じことが起こるでしょう。
水に関わることは最優先で、太陽は全てを焼き殺す存在として認識されていることと思います。
そうなると、先天的に水属性を持って生まれた人は手厚く保護されるだろうし、闇属性を持つ一族が王族となっているかもしれません。
極夜がある土地に暮らす民族や、日本のような太陽信仰がある民族であれば、彼等のことは邪教徒として扱う事でしょう。
新しい都市が設定される際、毛色の違う雰囲気を出すために和風の街、中華風の首都、ゲルが並ぶ村、ベネツィアのような港町が描写され、あまりファンタジー要素がない舞台になる場合もあります。
しかしこのように、魔法の設定からも土地特有の設定が作りやすくなり、独特な雰囲気やバリエーションを出すことができそうです。
魔法の理屈を設定する際には、バトル風景や主人公の成長方法だけにこだわらず、その周りにあるものも考慮すると、複雑な世界観が生まれるかもしれません。
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