第15話 その呪い、禁忌につき……


霊眼ハーント……まさか移植者パラスティクス……?」



敵の騎士が灰色ネズミを見て、そう呟いた後に悲鳴を上げる。

ネズミの大群から成された灰色の山が、その騎士を飲み込んだのだ。



「ァアアアアァアッ……!」



一つの獲物に噛みつき、食らう、無数の小さな動物たち。

灰色ネズミはその光景を眺めながら、何の感情も写さない真顔で首を傾げた。



「そんなに痛いんスかね……?」

「痛い痛い痛い痛いイタイイタイイタイ……ッ!!」

「……どんな風に?」



もがく敵……その悲痛な鳴き声は掻き消えて。

その肉の全てはバラバラに――


灰色の中から血しぶきが上がり、その場にいた全員を赤く染め上げる。



「ヒィイイイイイイイイイッ!!」

「し……死にたくない。死にたくないッ!」



敵の残り2人が同じ方向へと走り、逃げ出す。

逃げる敵……その2匹の獲物を目がけて――



屍よコルガ



――結晶ガラスが何もない空中から現れ、飛んで、2つの背中を一直線に突き破った。


息を絶やし、倒れる獲物。

灰色ネズミはそれを見届けてから、人差し指のない右手を下ろす。



「お前……一体……」



赤憑きは蘇った、灰色ネズミに問いかける。



「何者だ……?」

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