第10話 natural Day
「スルメか〜懐かしいなー」
いつもの居酒屋でいつもの様に酔っ払っているヨウコ先輩。
「私も寿退社したいぜよ」
酔い過ぎでキャラが崩壊している。
「ヨウコさんは、現役に拘らないんですか?」
と私は聞く。
「う〜ん、悩むよねー私も27歳あんた見ていると昔のスルメを思い出すよ、そんなスルメも早々と結婚してさ…完全に置き去りにされた畜生め!」
テーブルを拳で叩き伏せるヨウコ先輩。
「また荒れてやがるのか」とシンジさんがいきなり相席してきた。
「何よ!遅いわねあんた!」とヨウコ先輩は相変わらず荒れている。
「こんばんは、シンジ司令長官!」と私は挨拶をする。
「おうフユナちゃんお疲れ様、こいつの相手も疲れるだろ?俺もさ15分前にこいつからさ早く来なさいと鬼の様にメッセージもらって仕方なく来たのさ。」とシンジさんは説明をしてくれた、シンジさんも泥酔しているヨウコ先輩の巻き添いらしい。
シンジさんのビールもテーブルに届き仕切り直しに軽く乾杯をした。
他愛も無い話が続き私はシンジさんとヨウコ先輩のやり取りを面白可笑しく眺めていた。
「なんで、私と別れたのよ?」とヨウコ先輩が切出す。
「えっ?」思わず声が私は出てしまった。
「その話はやめようぜ。ところでフユナちゃんサンタトイは…」とシンジさんは話を切り替えようとした時。
「私帰る!」ドンとテーブルを叩き立ち上がりヨウコ先輩は席を離れ店から出ていった。
あまりにも突然な事で私は追うことは出来なかった。
「これで払っといて!ごめんなこんなことになって。」とシンジさんはお金をテーブルに置き去って行った。
2人は元カップルなのか?
しかも別れを切り出したのはシンジさん…
ヨウコ先輩はまだ好きなのか?
私は私で今までそんな事気づかなかったし、知らなかった。
今日は凄い衝撃を受けた、二人が去って行った数分後シンジさんから頂いたお金でお会計を済まし店を出た。
「あっ…」私は店を出て直ぐに二人を見つけた、幸い思わず出た声は二人には聞こえていない。
「俺が振ったんじゃない、お前がサンタに拘るから結婚出来ないって言ったんだろ?」とヨウコ先輩に真っ直ぐな目線でシンジさんは言った。
「あの時の私にサンタを辞めろなんて酷いじゃない…」とうずくまって今にでも吐き出しそうなヨウコ先輩。
「まあ、今日は話にならないな」とシンジさんは言いちょうど通りかかったタクシーを拾いヨウコ先輩をタクシー入れ込み去って行った。
「やばい、余計に分からなくなった。」と私は呟き帰路に着く。
明日はサンタトイの日だ頑張ろうと自分に言い聞かした。
私サンタになる お手伝い奥ちゃん @okUnited
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。私サンタになるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます