応援コメント

「あとがき」への応援コメント


  • 編集済

    面白かったです。
    感動した、とはまたちょっと違うものがありますね。
    戸松さんの身に起こりえた得たもう一つの世界の話、それは別に戸松さんだけでなく、私にだって起こりえた話だと思います。うちは新興宗教とは無縁で、兄弟がいて、同級生たちと普通に接していて、自分のレゾンデートルに悩んだことなくて今の自分があるのですが、もしどれか一つでも違っていたらどういう人生を歩んでいたでしょう。
    自分の成り立ちについて思わず振り返って足を止めてしまいます。
    戸松さんは「長編が書けない」「ミステリの呪縛がある」と常々おっしゃってられますが、ものすごい読みやすい12万字でした。いや、全然ちゃんと書けてるじゃないですか。素晴らしかったです。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    そういう方にも響くものがあったなら、嬉しいです。

    あとがきにも書きましたが、人生で一回こっきりの切り札を創作の初手でいきなり使ってしまったのがこの話なんですよね。あと数十年生きたらまた書けるだけのネタがたまるかもしれませんが。

    なので、この方法では2作目、3作目が書けない。「長編が書けない」というのはそういう意味で、他人の人生を描く方法が見つからなくて四苦八苦してきた感じです。

    何より、わたしはちゃんとしたエンターテインメントが書きたいんです。この話はその辺全然配慮してませんからそれはもう楽に書けたのですけど、それじゃダメだなあって。

    となると、わたしにはミステリという選択肢しかないんです。そこから逃れようともがき続けてきたのがこれまでの創作歴ではあるのですが、ある時点で、呪縛……と言っていいならその呪縛を受け止めて、自分らしさと共存させていこうと決めたんですね。短編はもうちょっと自由に書いてますけど。

    願わくば、この話と同じくらい切実で、読みやすく、かつ豊かで、刺激的で、くすりと笑えて、希望が持てるものが書きたいですね。最後までお付き合いただき本当にありがとうございました。