褒美はなし?
溜めなしで攻撃魔法をバンバン放ってくるのは正直凄いっちゃ凄いんだが、俺の魔弾と張り合い続けるには……もうワンランク上の攻撃を速攻で放てないと無理だな。
まっ、今回は適当に戦って戦いを楽しむのはアウトだから、もう終わらせるけどな。
闇属性だけじゃなくて、他の属性魔法を扱えるのは凄いけど、結局光属性の攻撃が弱点であることに変わりはない。
魔力コントロールで弾丸の起動を変えれば、一方的にボコすのも不可能ではない。
「お疲れ様です」
「おぅ、そっちもお疲れ様。つっても……あれだな、正直楽勝だったんじゃないか?」
「ラガス坊ちゃまじゃないんですよ。楽勝な訳ないじゃないですか」
そうなのか? 正直、あれだけ強力な毒を扱えてたら、Bランクモンスターとの戦いも苦ではないように見えたが……やっぱりあれだよな、何だかんだでメリルは自分の実力を過小評価してるよな。
「これで全部倒し終えたっすね」
「回収、回収」
「そうだな。あんまり使いどころがないモンスターは核だけ回収して、他のモンスターは……とりあえず亜空間に放り込むぞ」
百以上の死体があるから、多少時間がかかったが、無事に回収も終わった。
使いどころがないモンスターの死体は放っておいたらリサイクルされるだろうな。
「……おかしいですね」
「何がおかしいんだ、メリル」
「私たちは全てのモンスターを倒しましたよね」
「そうだな。一応全部倒したと思うぞ」
数は多かったが、雑魚も含めて倒し漏らした個体はないと思う。
「でしたら、何かしらの褒美が出てくる筈です」
「そういえばそうだな。こういう転移系のトラップだと、転移させられた部屋に現れるモンスターを倒したら、ボス部屋みたいに褒美が出るのがお決まりらしいっすよ」
あぁ~~、確かにそんな事書かれてたな。
苦労して大量のモンスターを倒したのに、褒美が自分たちが倒したモンスターの素材だけってのは寂しいもんな。
「ん? ってことはだ……まだ、終わってないってことか?」
「おそらくそういう事かとっ!?」
部屋の中心にいきなり魔法陣が現れた。
慌てて距離を取ると……巨大な人型? のボーンモンスターとドラゴンが現れた。
「巨大なボーンナイトに、ボーンドラゴンって感じっすね」
「マジか……っ!?」
こっちの対応を待たずに攻撃を仕掛けてきた。
いや、普通に考えてそれが当たり前なんだろうけど、今はちょっと待っててほしかった。
だってっさ……これ、多分Bランクの中でも最上位レベルだよな。
「っ……貫通力強化を付与した回転弾でも、大したダメージは与えられてない!!!」
とりあえず試しに撃ってみたけど、骨が少し欠けた程度で、ダメージと言えるほどのダメージは与えられてない。
ぶっちゃけ、地味にショックな結果だ。
「はっはっは!!! それはそれは、無茶苦茶戦い甲斐がありそうっすねッ!!!!!」
…………うん、そうだね。
それは確かに間違いない事実だよ。
「ラガス坊ちゃま! 四人同時に戦う、という流れでよろしいでしょうか!?」
「あぁ、それでいこう!!」
向こうもバラバラじゃなく、しっかり二体セットでこっちに挑んできてる。
「ぶった斬ってやるぜ!!!!」
「私も、斬る」
おいおい、二人ともさっきまで同じBランクのモンスターと戦ってたんだろ。
さすがにちょっと元気過ぎないか?
「ラガス坊ちゃま、できればボーンドラゴンの方をメインに牽制していただけませんか」
「オーケー、オーケー。任せろ」
骨だけになってるくせに、平気でブレスを吐くっぽいしな。
しかも…………火と闇の両方を吐けるのか? 外見だけだとそんなに強くないっぽいのに、油断してると一瞬で潰されそうだな。
「だっはっは!!!! 良い攻撃力じゃねぇか!! 負けてられねぇぜッ!!!!!」
「良い感じ、に、強い、ね」
……まっ、うちの前衛組がかなり燃えてるっぽいし、油断するなんてのはあり得なさそうだな。
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