誰であろうが、関係無い
揃いも揃って全員闇の魔力を纏ってやがる……聖職者が見たら発狂するか怒髪天状態になって光魔法をぶっ放しそうだな。
とりあえず、雑魚はもう全部片づけるか。
「メリル、一瞬離れる」
「分かりました」
ラビットフットを使用し、複数の光弾を動かしながら、素手で魔核を引き抜いていく。
身体強化にラビットまで使ってしまうと、ちょっと楽ちん過ぎるな。
「……超、スッキリ、した」
「はは、やっぱり速いっすね」
「大きな取り柄だからな」
雑魚はもう全部片付いた。
後は、大将たちを片付けるだけだ。
「メリル、これは基本的に一対一で戦うって感じで良いんだよな!!!」
「基本はそれでいきます!!! ただ、ラガス坊ちゃまは各戦闘のサポートと牽制をお願いします!!!!」
「はいよっ!!」
実際の戦場で大将レベルが何人もいるってのはあり得ないと思うが……絶対にないと言えないか。
とりあえず、俺はあのヤバそうなリッチの相手をメインにしないとな。
「はっ!!!!」
「えい」
「っしゃ!!!! 良い一撃じゃねぇかっ!!!!」
……シュラの奴、思いっきり楽しんでるな~~。
俺も楽しみたいな~~~……まっ、さっきメリルの頼みを了承してしまった手前、勝手に動いたら絶対に雷が落ちるだろうけど。
にしてもこれ、結構頭を使うな。
リッチの攻撃に意識を向けながら、他三人を軽くサポート。
そんで……ここがダンジョンの恐ろしいところで、Bランクの大将クラスのモンスターはもう二体いる。
そいつらは二体同時に俺に襲い掛かって来たかと思えば、もう一体が他三人へ攻撃しに行くことがある。
部屋は超広いけど、うっかりヘイト管理をミスしたら、セルシアたちに強攻撃が集中してしまう。
シュラならそういう攻撃を受けても「燃えてきたぜぇえええええッ!!!!」ってなるだろうけど、他二人の防御力を考えると、そういうミスは勘弁してほしいところ。
そして俺としてはメリルがやや心配。
戦闘力に関してはトロールにも一人で勝ったんだし、問題無いように思えるが……骨や鎧だけのモンスターが相手だと、かなり相性が悪い。
糸を上手く使って転倒させることはお手の物だろうけど、得意の毒魔法が効き辛い……てか、まず効かないよな?
がっつり骨や鎧の中に毒を注入すれば、なんとか出来なくもない、らしいけど、本来の毒みたいに体全身に広がる事はない、らしい。
もう少しメリルの方に方に援護を飛ばした方が良いか…………なんて考えてたら、ボーンジェネラルの骨が……腐り落ちた。
えっ……何あれ。
多分毒なんだろうけど、骨を腐らせ、た? ……いや、無茶苦茶恐ろしいなおい!!!!
マジかよ。
鎧とか骨系のモンスターって基本的に毒に強いというか効かない感じなのに、その骨を……腐らせちゃったよ。
あれか、腐毒ってやつか?
毒に関してはそんなに詳しくないけど……あんな毒出されちゃ、敵さんからすればお手上げ状態だな。
構わず攻撃は続けてるけど、中々厭らしい部分に毒をぶち込んだりしてるし……うん、やっぱり特にメリルだけ心配する必要はなかったな。
つか、他二人も偶に死角から攻撃が飛んできても、全然余裕で対処してるじゃないですか。
これはもしかして……俺のサポートなんて必要ない感じですか?
なんて考えてるうちにシュラがリビングデットジェネラルをぶった斬った。
確かリビングデットジェネラルって、四十層のボスモンスターの一体だよな……そりゃ楽勝ではないと思うが、大将戦が始まる前に雑魚たちをウォームアップがてらに殲滅出来たことを考えると、四十層のボス戦は訓練になる……のか?
あっ、セルシアも上手いこと骨を細かく斬って魔核を奪い取った。
……んじゃ、こっちもリッチを完全に潰しにいって良さそうだな。
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