万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか？

やはり知性の問題？

「っ！！！　お前ら、どうやら俺たちによっぽど教育されたいみてぇだな！！！」

メリル……あまり面倒な展開に発展させるなよ。

にしても、教育してやるとか……更に小悪党臭が増すセリフだな。

もしかして、過去に自分が先輩からそう言われて、実際に教育されたから自分が言っても変じゃない！！　って本気で考えてるのか？

そういう過去があるなら……まぁ、ついついそんなセリフを口にしてしまうのも解らなくはないけど。

「二人とも、あまり売られた喧嘩を買うなっての」

従者二人が拳を構えようとしていたので、一旦待てと指示を出す。

「はぁああ！！？？　先に喧嘩を売ってきたのはてめぇらだろ！　なにふざけた事ほざいてんだ！！！！」

「……いや、別に俺はお前たちに喧嘩を売った覚えはないんだが」

「先輩をお前呼ばわりとは、良い度胸してんなぁ、おいっ！！！！！！」

えぇぇぇ～～～～～。いや、何か話の趣旨が変わってない？

お前呼びとか、今は関係ないだろ。

さん付けで呼ばれたかったら、まずは自己紹介してくれよ。

されても別にさん付けで呼ばないけどさ。

「ラガス、この人、たち。頭、おかしい、ね」

「えっ……まぁ、はは。そうかもしれないな」

パートナーの言葉を否定は出来なかった。

別にいきなり絡んで来たこいつらを庇う必要なんてないから、別に良いんだけどさ。

「ッ！！！　女だからって容赦しねぇぇぞぉおおおおッ！！！！」

あ～～～あ、ロウレット公爵様の耳に入ったら、殺されてもおかしくないんじゃないか？

「そういうのは、もう少し力を身に付けてからほざいてください」

「メリルの、言う通りだな。話にならない」

一斉に襲い掛かってきたチンピラハンターたちは、一瞬にして地面に転がされた。

「っ！？　てめぇ！　何しやがばっ！！！！？？？？」

チンピラハンターたちを転がし、二人は人がいない方向に向かって、彼らを蹴り飛ばした。

「ラガスさん、もう少しちゃんと教え込んだ方が良いっすよね」

「……いや、別にもう良いんじゃないか？　彼らも、これ以上恥を晒したいとは思わないだろ」

何と言うか、想像以上に全員弱かった。

あれだけ威勢よく喧嘩を売ってきたんだから、もしかしたら見た目や身に付けている装備の質以上の強さを持っているのかもしれないと思ったけど、見た目通りの強さしかなかったな。

「お騒がせしてすいません」

「あ、はい！」

「えっと、ファイルトロールについて情報を聞いても良いですか」

「勿論です！！！」

面倒な連中が片付いたので、再度受付嬢さんにファイルトロールの情報について尋ねた。

出現場所や、今までどういった人たちが討伐に失敗してきたのか。

それらを聞いている間、先程絡んできたチンピラハンターたちが、再度絡んでくることはなかった。

音からして肋骨とか折れてそうだったし、まだ俺たちのことが気に入らなくても、再度絡んでくる気力はなかったようだ。

「以上となります」

「どうも、ありがとうございます」

お礼を良い、これ以上はもう用はないので、速足でギルドから出る。

「メリル……さっきの、わざとか？」

「さっきの？　………………あぁ、あれですね。申し訳ありません。確かに煽りになっていました」

……珍しいな。

どうやら先程のチンピラハンターたちに対する言葉はわざとではなく、マジで素だったようだ。

まぁ、先に絡んできたのは向こうだから、悪いのは全部あいつらで間違いはない。

「解っているつもりでしたが、やはりハンターは基本的にこう……知性が低いですね」

「どストレートな悪口だな。というか、あれは知性が低いどうこうではなく……あれだ、単純にルーキーである俺たちがファイルトロールに挑もうとしてるのが気に入らなかったんだよ」

「その気持ちに関しては、ある程度理解出来なくはありません。ただ、だからといって私たちに喧嘩腰で絡もうとするのは、やはり知性が低いと言わざるを得ませんか？」

「……うん、そうだね」

その通り過ぎて、反論する気力は起きなかった。

一先ず今日は良さげな宿を見つけて、探索は明日から行おう。