奪って頂いて掻っ攫った
冬休みの大半を実家で過ごし、三学期が始まり……俺たちは無事に進級できた。
クレア姉さんたちも無事に卒業し、騎士に……はならず、ハンターになる道を選んだ。
クレア姉さん、アリク、サルネさんに生徒会長だったリースさんと組み、ハンターとして活動するらしい。
アリクの奴……予想していた通り、ハーレムを築いた。
いや、一人は家族だからハーレムとは言えないだろうけど、絶対に周囲の同性ハンターたちから嫉妬されるだろうな。
そして二年生になれば、後輩ができる。
自分の実力にある程度自信がある新入生からは、最初こそダル絡みされた。
しかし、軽く潰したら礼儀正しい後輩になった。
そして当然……再び大会に参加。
シングルスとダブルス、団体戦に前回と同様に参加し、優勝を掻っ攫った。
運営の方からは今回も、なるべく速攻で終わらせない様にお願いしますと頼まれた。
とはいえ、二年生になって大会に参加する生徒の実力も大なり小なり上がってるから、本気で手加減をする必要はそこまでなかった。
それに、リーベとセルシアとのバトルは非常に楽しかった。
というか、リーベとの戦いで羅門を使われた時はちょっと焦った。
獣魔法は使わないようにしようって思ってたのに、うっかり使ってしまったしな。
因みに、メリルとシュラも従者のみの大会で軽々と連覇した。
んで、二年生の間も……まぁ、ちょいちょい色々あった。
でも……結果的に、一年生の頃と比べれば比較的平和だったか?
そんな二年生も終わって、ついに俺たちも最上級生。
前生徒会長から、次の生徒会長をやってくれないかと頼まれたが、丁重にお断りした。
だって、生徒会長とか超面倒な管理職ってことだろ?
ある程度実力がある人がやるべき役職なのは分かってるけど、書類仕事とか苦手だからな。
ただ、生徒会が何か面倒な問題を抱えることになった時は、手助けすると伝えた。
そして三年生になっても当然、大会が行われる。
今年度の大会に関しては……俺たちが目立ち過ぎたというか、優勝を多く掻っ攫ったというか……他校には申し訳ないことをしたなと、ほんのちょっぴり思った。
何故なら……セリスとレアードがロッソ学園に入学してきたから。
あれから二人は当たり前だが、サボることなく鍛錬を続けていた。
勉強は大丈夫なのか? とちょっと心配していたが、元々そちらの心配が必要ないレアードはあっさりと合格し、セリスも頭が悪い訳ではなく、努力に努力を重ねて無事に合格。
それで、まぁ……一年生の中では、ぶっちぎりに強い。
入学当初から俺たちと絡んでいたこともあって、当然同級生から妬みを買う。
ただ、二人は売られた勝負を全部買って、全てに勝利した。
そしてそれは一年生の大会でも同じ。
優勝候補筆頭と呼ばれる二人をぶっ潰そうと燃える他校の生徒もいたが、殆どの生徒は勝負らしい勝負にならなかった。
決勝では二人がぶつかり、力ではセリスが押していたが、頭が回るレアードにしてやられたという形で、ギリギリ
レアードが優勝をもぎ取った。
シングルスが終われば、当然ダブルスが行われる。
二人は当然タッグを組んでおり、決勝で互いにぶつけた傷はその日の内に癒え、ダブルスでも大いに暴れた。
普通は前衛後衛って別れるもんなんだけど、セリスは当然ダッシュで攻め……レアードは明らかに後衛職っぽい雰囲気を出してるのに、必要になるまでセリスと一緒に前衛として対戦相手を攻めた。
結局、レアードが魔法を解禁したのは準決勝になってからだったか?
本当に……あの二人と大会でぶつかった生徒たちには、お気の毒さまとしか言えない。
当然、三年生の部でも前年と同じ様な結果になり……シングルスの優勝は俺が貰い、ダブルスの優勝は俺とセルシアが三年連続頂いた。
そして二年生たちは偶に俺やセルシアに特訓を申し込んでくることもあり、シングルスの優勝こそ逃したが、ダブルスの優勝はもぎ取ってきた。
団体戦に関しては全戦全勝、ストレート勝ちで他三校を打ち破り、圧勝で優勝を頂くことになった。
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