お久しぶりです
「お久しぶりですね、ラガスさん」
「どうも、お久しぶりです。フェリスさん」
ガイに連絡して明後日に向けて少し話、その後セルシアにドキドキさせられた翌日、学園の正門前でフェリスさんを出迎えた。
「メリルさんとシュラさんもお久しぶりですね」
「「お久しぶりです、フェリスさん」」
二人は綺麗なお辞儀を同じタイミングで行った。
ちょっと固くなり過ぎじゃないかと思わなくはないが、フェリスさんが相手だとやっぱりそういう態度が出てしまうものか。
「ルーフェイス、ちゃんとラガスさんたちの言うことを聞いてた?」
『うん、ちゃんとラガスたちの言うことを聞いて良い子にしてたよ!!!』
「ふふ、それは良かったわ」
……人間態のフェリスさん、本当に美人だな。
長い黒髪が少々バラバラになってるけど、髪質は悪くないと思う。
容姿は柔らかい系の美人。そしてスタイルが半端ではない。
どんなにスタイルが良いグラビアアイドルでも逃げ出す様なものをお持ちだ。
容姿とスタイルが相まって母性が溢れ出してる。
多分……というか絶対に王都に入ってからナンパされまくっただろうな。
「フェリスさん、ロッソ学園に来るまで大変じゃありませんでしたか。面倒な男に絡まれたりとか」
「大丈夫ですよ。隠密を発動して動けば大抵の人は私の姿が見えなくなるの」
ッ!!! 本当だ……今は目の前にいると分かってるから薄っすらと見えるけど、確かにこれを街中で使えば人々から認識されず、ここまで来ることが可能だろうな。
「凄い、ですね」
「ラガスさんも頑張れば直ぐに隠密のアビリティを習得出来る筈ですよ」
「そ、そうですか……頑張ってみます」
暗殺タイプだから覚える必要は……いや、何が起こるか分からないし、そういったアビリティを習得しておいて損はないか。
「えっと、既に学園には許可を貰っているのでフェリスさんはこれを身に着ければ学園に入れます」
「ありがとう」
「それでは、俺たちが暮らしている特別寮の方まで案内します」
既に夏休みは始まったが、学園にはまだ多くの生徒が残っている。
なので、特別寮に到着するまで他の生徒たちと何度かすれ違ったが……全員がフェリスさんのことを目で追っていた。
男子は特に……たわわな実をガン見して追っていたが、フェリスさんは特にニコニコ表情を変えることはなかった。
男子……見たくなる気持ちは解るけど、もう少し遠慮した方が良いんじゃないか?
俺の知り合いだって分かれば手を出そうとするアホはこの学園にいないと思うけどさ。
「そういえばルーフェイスから聞きましたよ。学園の生徒同士が戦うトーナメントで優勝したと。おめでとう」
「ありがとうございます。ただ、相手は学生です。フェリスさんと比べればまだまだなので……」
「ラガス様の圧勝で終わりましたね」
「結局最後まで本気は出さなかったっすもんね」
当たり前だろ。俺が本気出したら殺してしまうだろ。
セルシアを含め、光る才を持ってる物はちらほらいたけど、ディザスターと事を構えた時の本気を出すことはなかった。
あの状態で戦えば、聖騎士? とか近衛騎士とかにも勝てると思う……実際にその人たちの戦いっぷりは見たことないけど。
「……言っちゃ悪いけど、本気を出したら直ぐに終わるだろ。それだと色々とつまらないし……大会を観に来た客からクレームが出る」
というか、実際にその辺りを注意というか警告されたからな。
あんまり試合を早く終わらせないでくれって。
唯一あの試合開始初っ端からぶっ放してきた奴の試合は早く終わったけど、それ以外の試合はそれなりに時間を掛けて倒した。
「見に来た客のことまで気を使えるとは、素晴らしいですね」
「実力差があったからですよ。余裕を持てるだけの実力差がなければ客の気分まで考えて戦うのは無理ですよ」
「大会で客に気を使いながら戦った後は、少々面倒な依頼が二つも来ましたしね」
「あら、そうなのですか?」
「はは、まぁ……ちょっと色々ありまして」
リーベの件に関して面倒だとは思っていないが、リゼード家当主と絡んだ一件は私的に面倒だと思った内容だったな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます