どんなイメージを浮かべるか

あぁ~~~・・・・・・やっちまった。なんでだろう、むっちゃハイになってたな俺。

なんであんな調子に乗ってヒールみたいなセリフを吐いちゃうのか。


やっぱり俺の根っこってドSなのか?


「おかえり、ラガス」


「ただいま」


出入り口戻るとロックスだけでは無くセルシア達全員がいた。


「ちょい悪なラガス、かっこ良かったよ」


「そ、そうか? まぁ・・・・・・なら良いんだけど」


「私もいつものラガス坊ちゃまとは違ってあれはあれで良かったと思いますよ。セルシア様の言う通りちょい悪なラガス坊ちゃまは違う意味で素敵でしたよ。良い笑みも浮かべていましたし」


メリルにとっては俺が浮かべていた笑みは良い笑みなのか。

いや、それも違う意味でって事だよな。


「もしかしたらあの坊ちゃん貴族、二度と立ち上がれないんじゃないですか? プライドが高い奴って一度折れれば中々立ち直れないってイメージがありますけど」


「・・・・・・いや、そう簡単に砕け散りはしないだろ」


確かに今回の戦いであいつのプライドや心は折れたかもしれないが、そんな事はあいつにとって何度も経験した内容な筈だ。

だったら、今回もまた立ち直れるだろう。


「にしても、魔闘気を使った時にはやっぱり驚いたな。不完全ではあったけど」


「そうですね。私も魔闘気を扱うとは思っていませんでした」


俺の言葉にメリルだけでなく全員が同意した。


そこでロックスが魔闘気の習得方法に関して質問して来た。


「ねぇ、ラガス。魔闘気を扱えるようになるのに重要な事ってなんだと思う?」


「基本的な事に関しては魔力と闘気の捜査に慣れている事。まずはこれが大前提だ。後はまぁ・・・・・・単純にイメージじゃないか」


「魔力と闘気が混ざるイメージか。ラガスはどんな光景をイメージしたんだい」


俺のイメージか。魔力と闘気の操作の向上に関しては全員に言える事だが、イメージに関しては人それぞれなんだよな。


「俺は色だ。赤に青を混ぜれば紫になる。それは知ってるだろう」


「絵は描かないけど知識としては知っているよ」


「そうか、なら一度赤と青が混ざり合って紫になる流れを見ていおいた方が良いぞ。俺のイメージがロックスにも当てはまるかは解らんが、あれはあれでイメージしやすい流れだからな」


ただ、完全な魔闘気を生み出せるようになっても、自由自在に操れるようになるにはかなり時間が掛かったけどな。


「ところでラガス坊ちゃま。なぜ大勢の生徒が見ている前で自身が基本属性の魔法アビリティを習得出来ないとバラしたのですか?」


「ジークが相手ってだけで勝てば面倒な輩は減るだろうが、それでもゼロになるとは思えない。だから魔法が使えずともジークレベルの相手を倒せる実力を持っているぞって伝えたんだよ」


まっ、例外的な魔法は習得しているけど、それを証明するのは色々と不味いからな。


「ラガスって基本属性の魔法アビリティを習得出来なかったんだ。でも、ラガスなら殆どの魔法が無意味に思えるから問題無いか」


ロックスの言葉に俺は少し嬉しく思った。


ただ、ロックスもしっかりと鍛えればある程度の魔法は避けて弾いてって出来るようになると思うんだよな。

そこら辺に関しては今度俺が考えたトレーニング内容を提案してみるか。



side 審判を務めた教師


本当に何者だあの新入生は。

リゼード家の子供達が周囲と比べて頭二つ三つ抜けてるのは知っていたが、あいつは別格過ぎるだろ。

後、中々に良い性格してたな。


ありゃただの悪い笑みじゃ無く、相手に恐怖心を与える笑みだ。


というか、不完全な魔闘気であってもあれをモロに喰らって無傷とか色々と可笑しいだろ。

それに最後の攻撃も気になるな。


ありゃ完全に今回の新入生でトップの実力者だな。

もしかしたら三年のトップよりも強いかもしれないな・・・・・・それはそれであのラガスって子にとっては頭を悩ます問題に絡まれるかもしれないが、頑張れとしか掛ける言葉が無いな。


教師はラガスが向かった方向に顔を向けて合掌した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る