遅いけど面倒

ロックゴーレムに遭遇してから四人で攻撃を続けてるんだが・・・・・・中々決着が着かないな。


俺は魔弾を使って一点集中攻撃。

メリルも俺と同様に一点集中での投擲。


シュラとルーフェイスは大剣と爪を使って全体的に攻撃し、偶に関節部分を狙っている。

勿論攻撃するときには刃に魔力を纏わせているから斬れる事には斬れるけど切断まではいかない。


俺とメリルの攻撃で攻撃箇所がしっかりと凹んでいくが、戦いが進むといつの間に元通りになっている。


「・・・・・・ゴーレム系のモンスターが持つ特性みたいなもんか?」


「斬っても撃っても刺しても元通りになるという事はそういうことなんっすかね」


やっぱりそうだよな。周りが土に適した素材だからそれを吸収して傷を修復しているってところか。

相手に地の利があり過ぎだろ。


ただ自身が持つ特性とはいっても、それを使うには魔力を消費してるだろうからいつかは限界が来る。

但し、どの程度の攻撃でどれぐらいの魔力を消費して修復するのかは解らないから逆算出来ないんだよな。


幸い動きが遅いから攻撃を躱し続ける事は出来る。だから魔力切れを待ってればいい話だ。

素材は欲しいっちゃ欲しいがこの巨体分が欲しい訳では無い。

少しの素材と魔石が貰えれば十分だな。


「お前ら、少し攻撃のギアを上げろ。こいつの魔力を一気に消費させるぞ」


俺、メリル、シュラは武器に闘気を纏わせる。

ルーフェイスはドラゴン系のモンスターが持つアビリティ、竜気を爪に纏わせる。


「乱れ狂え、閃光!!!」


「イングレッブクロス!!!」


「大切断!!!」


『グラララァァァアアアアアーーーーーー!!!!』


一振りから十数にも増えた斬撃が、深く十字に刻む短剣、上段から全てを斬り落とす勢いで迫る大剣が、ブレスの次のドラゴンの攻撃の中で印象が強い長く威圧感がある爪による一撃、ドラゴンクロウがロックゴーレムの体に深い傷を残す。


予想外の大ダメージにロックゴーレムは膝を付いて倒れた。けど、ただ倒れた訳じゃない。

たぶん受けた攻撃を修復している筈。


だから、そんな時間を与えない!! 

もう一度同じ攻撃を加える。それでも無理ならもう一度って話だ!!!


「・・・・・・ようやく意識が切れたみたいだな」


二度目の攻撃を喰らって体を回復させるだけの魔力が残っていた無かったのか、それともあまりのも傷が大き過ぎて行動停止になったのか・・・・・・まっ、どっちでもいいか。


「中々にタフなモンスターでしたね」


『爪で削っても削っても直ぐに回復するのはちょっと鬱陶しかった。動きが遅かったから攻撃は一撃も貰はなかったけど』


それな。本当に動きは大して早くなかった。

身体強化のアビリティは持っていなかったのかもな。


・・・・・・いや、あの巨体を力で身体強化のアビリティを使われたら速さも強化されるんだろ・・・・・・それはちょっと反則なきがする。


「とりあえず素材を少しと魔核は持って帰ろう」


ロックゴーレムの岩・・・・・・盾とか鎧に使えるのか?

もしそうだとしたら魔核も防御力を上げたり斬撃耐性を上げたり出来るのかもしれないな。


素材の回収が終わって探索を再開し、周囲の匂いが変わった場所で採掘を続けると黒い鉱石を見つけた。


「おっ、新しい鉱石ですか?」


「みたいだな。えっと・・・・・・黒曜石だって」


狼竜眼で鑑定すると、斬る武器にも適しているが叩く潰すといった武器の方が適していると。

ハンマーや槌ってことか。それなら斬る武器に関しても短剣や長剣より大剣の方が適してるのか?


親方に今度そこら辺を聞いてみよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る