知識が足りない

放った音弾は上手い事ラージアウィンドバッドの耳に直撃した。


「キュアアアアアァァァアアアアア!!!???」


おうおうおう、良い感じに聴覚をぶっ壊せたか。

今ならいけるか?


「身体強化+投擲補正+コングアーム」


狙いを外さない様に投擲のアビリティで狙いを定め、二つの身体強化を合わせて短剣の刃に魔力を覆わせ、思いっきり投擲をぶちかました。


結果、片耳の聴力がイカレテ混乱していたラージアウィンドバッドの額を突き刺さり、そのまま頭を貫いた。


ただ脳天を貫いた短剣はそのまま天井に深々と突き刺ささる。


「・・・・・・ちょっとやり過ぎたか?」


保険でコングアームまで使ったけど、もしかしたら必要なかったかもな。

んで、他のウィンドバッドは・・・・・・仕事が早いな皆。


「お疲れ様」


「ラガス坊ちゃまもお疲れ様です」


「いやーーーー、相手の方から向かって来てくれたからやりやすかったな」


『シュラが大検でぶったたいて僕の爪でブスッと倒してたらあっという間だったよ』


確かに向こうが考え無しにシュラに突っ込めばウィンドバッドの軽さとシュラの腕力を考えると一撃貰えば吹き飛ばされるのは確実。

そこで一時的の動きが止まったその隙をルーフェイスなら十分に狙える。


「メリルは投擲一発でどんどん落としていったけどな」


そのメリルは今投擲に使った短剣を回収している。

投擲用の武器とはいっても、安い訳じゃないからな。


にしておも・・・・・・もしかして投擲のアビリティレベルなら俺より上の可能性もあるな。

狼竜眼で鑑定して調べる事は出来るけど・・・・・・身内にそれをするのは気が引ける。


メリルならその辺りは訊けば普通に教えてくれるか。


「ラガス坊ちゃま、回収出来る素材はどう致しますか」


「魔石は今まで通り全て回収するとして・・・・・・モンスターの素材は回収しなくていいや」


使える素材は色々とあるんだろうけど、正直使い道が解らないからな。

その辺りも今度ソウランさんに訊いておこう。


血とか爪とかは何か使えそうな気がするけど、もし殆ど使い道が無くてアイテムポーチの容量を圧迫してるだけって事になったら嫌だからな。


そしてラージアウィンドバッドとウィンドバッドの群れと遭遇してから大体一時間後ぐらいか。

鉱山のマッピングをしながら鉱石の採掘と襲い掛かって来るモンスターの討伐を繰り返す。


流れは大変順調だったんだが・・・・・・今目の前にはかなりの巨体を持つモンスターがこちらを見ている。


「こいつは・・・・・・ゴーレム、でいいんだよな?」


「そ、そうですね。体が巨体というのは知っていましたが・・・・・・」


「け、結構デカいなこいつ」


『そうかな? 大きくなったお母さんよりは小さいと思うけど』


マジでか。 今目の前にいるゴーレムは四メートルぐらいあるんだが、フェリスさんはこれ以上にデカくなれるのか。

・・・・・・でもフェリスさんは、てかルーフェイスも大まかなジャンル的にはドラゴンなんだから当たり前っちゃ当たりまえだよな。


それで、ゴーレムは多分俺達を敵だと認識してるな。


「ラガスさん、こいつただのゴーレムじゃなくてロックゴーレムじゃないっすか」


「・・・・・・確かに体が土って言うより岩だな」


余計に斬撃や打撃が効かない感じだな。

けど攻撃速度が遅いから攻撃は余裕で躱せるか。


「でもただの右ストレート一発で鉱山の地面がこうも凹むのか・・・・・・用心する事にこしたことはないな」


獣魔法を使う必要は無いと判断したが、念のため身体強化のアビリティは使用する。


「パワーは向こうが上かもしれないスピードは完全にこっちが上だ。焦らず倒おすぞ」


周りの環境のせいで少し嫌な予感はするが、今は少し置いておこう。

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