第3話 苦しみ
そんな日々が続くうち、私は眠れない事が増えた。
眠れないからベッドの上でゴロゴロし、気がつけばもう起きる時間。一睡もできない日が続くこともしばしばだった。
おかげで仕事中は眠く、ただでさえ鈍かった動きを更に鈍くした。
久方ぶりに眠れても、ふと夜中に目が開いてしまいそこから眠れない時もあった。
その時からか。
悲しくもなんともないのに、急に涙が溢れ止まらなくなり始めたのは。
仕事に行く前、就寝前、朝起きた時…。
泣くタイミングは、まちまちだったが急に胸が苦しくなり涙が溢れる。
休日は、何もしたくなく、惰眠する時が増えた。
日がな1日ベッドに横たわりぼんやりしていることも増えた。
『死にたい』
『消えたい』
思うのは、そんな事ばかりばかりだった。
机に置かれていた刃物類が目につくと、ふと手を伸ばし手首に押し付け、スッと横に引くと切った先から、ぷっくりと膨れ溢れる血。
痛いより何より先に出るのは
「死ねないか…」
そんな呟きだった。
涙といっしょに血も流れ続けた。
不安神経症と鬱の介護福祉士 金木犀 @kinmokusei02316
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