第2話
手足が痺れて、ひどく息が上がった。
キーンと耳鳴りがした時、
目の前には、お年寄りの穏やかな微笑み
のみある。
介護施設で働く新米は、汗水垂らして毎日がむしゃら
のはずだった。
高齢者社会とは如何なものか
未知の世界へ飛び込んだ。
他人の糞や涙を見る、触る。
それと同じくらい、笑顔を見る。
それが介護の仕事だ。
肉体労働と代替に、一人の生き様を見て
未来への悶えに、ただ頷くことしかできない
しかし、自分より長く生きた人は、
醜さも皺もすべて、
若者には有り得ないほど、美しくて眩しい。
そんなことを考えては、残された日常を支えるこの仕事に誇りを持った。
私は、仕事が嫌になったわけではない。
自分の認知の歪みが嫌になった。
だから、続けられなかった。
歪み tsugumi @adamary0801
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