第22話「こんな『タイム・ラブ』は嫌だ」



真紀「みなさんお待たせしました!『こんなタイム・ラブは嫌だ』、始まり始まり~♪」


満「何それ……」


真紀「こんなタイム・ラブは嫌だ! って思うようなネタを集めたのよ」


満「そのまんまだね……」


真紀「今回は感動とか一切無しのネタ回というわけよ」


満「ふーん。ていうか、なんか作者の書き方変わってない? カギカッコの前に名前なんて今まで書いてあったっけ?」


真紀「今回はほとんどキャラクターの台詞で書くみたいだから、誰がどの台詞を言っているのかわかりやすくするそうよ」


満「そうなんだ、今までも同じようにやればよかったのに……。いや、そうするわけにもいかないか」


真紀「まぁ、とにかくギャグを考える才能の無い作者が頭をひねって考えたネタを集めたわ。それじゃあどうぞ~」




   * * * * * * *




真紀「タイムマシンで過去にしゅっぱ~つ!」


 ビューン


満(お絵かきサラサラ)


真紀「植物の写真撮りまくるわよ~!」


 パシャ パシャ


満(お絵かきサラサラ)


真紀「よし、全部撮れた。帰りましょ」


 ビューン


満「下書きできた。そろそろ帰ろう」


真紀「家到着! さてと、写真整理しなくちゃ!」


満「家到着。お腹空いたなぁ……今日の晩ご飯何かな?」




    『タイム・ラブ』(完)




『そもそも二人が出会わない』




満「あぁ……これは嫌だね」


真紀「これじゃあ満君が何のために登場してるのかわからないよね」




   * * * * * * *




満「あ、あの~」


真紀「ん? 何? ていうかあなた誰?」


満「えっと、僕は」


愛「え? まさか過去の人間!? ちょっと! タイムマシン見られちゃったわよ! アナタ! さっきのキューブ! 早く早く!!!」


アレイ「はいよ~」


 ビューン!(黄色い光に包まれる満)


満「え? 何!? あっ……」




『速攻で記憶を消される満君』




満「下手すればこうなってたかもしれないんだよね……」


真紀「うん……」




   * * * * * * *




満「君の名は?」


真紀「私だ」


満「お前だったのか」


真紀「また騙されたな」


満「全く気づかなかったぞ」


真紀「暇を持てました」


満「神々の」


満&真紀「遊び」




『神野遊戯』




真紀「これ一度やってみたいわね♪」


満「えぇぇ……」




   * * * * * * *




愛「私達は、この時代から84年後の未来から来たの。タイムマシンに乗ってね」


満「え? てことは未来人!? すごい! 未来人なんて初めて会った。写真撮ろ♪ Twitterに上げればきっとバズるぞ~!」


 パシャ パシャッ


真紀「ちょっと! やめて! そんなことしたら……」


満「よし! ツイート♪」


 ピコンッ ピコンッ


満「おぉ! もう反応来た! え? 嘘ツイート乙? 誰も信じてくれない……。なんだ……つまんないの」


真紀&愛「……」




『満君の性格がめっちゃクズ』




満「何これ……こんなの僕じゃないよ」


真紀「本当の満君はとっても優しい人よ」



   * * * * * * *




アレイ「ほほほ本当にいいいいいんですか? ここここんなものをたたた食べてしまままって……?」


咲有里「いいんですよ~♪ どうぞ」


真紀&愛&アレイ「いただきまぁぁぁぁぁす!!!」


 パクッ


 ブフォォォォォォォォォ(ご飯を吐き出す三人)


真紀「ま、不味いぃ……」


愛「見た目はこんなに美味しそうなのに……」


アレイ「」(死去済)


咲有里「あらあら~」




『咲有里さんが壊滅的に料理が下手』




満「お母さん……」


真紀「飯マズなパートナーって二次元だと意外と需要あるのよ」




   * * * * * * *




満「今真紀を教室に入れるわけにはいかないな……」

真紀「もう一回使うわね。とりあえずこの教室の人達を……」


(メモリーキューブを投げる真紀)


生徒A「痛っ!」


満「ん? メモリーキューブが浮かないよ?」


真紀「え? もしかして……」




『メモリーキューブが電池切れになっててクラスメイトを洗脳できない』




満「これはまずいね」


真紀「本当にこんなことにならなくてよかったわ……」




   * * * * * * *




石井先生「みんなに朗報だよ。こちら、隣街から引っ越してきた転校生だ。ほら、自己紹介して」


真紀「は~い」


(黒板にチョークで名前を書く真紀)


真紀「84年後の未来から来ました、神野真紀です。みんなよろしくね!」


満「……」




『タイムトラベラーの規則とは……』




満「タイムトラベラーって過去の人間に正体を知られちゃいけないんじゃ……」


真紀「もう別にいいじゃない。本編も番外編もどっちも規則破ってるんだし」


満「それもそうか……(笑)」




   * * * * * * *




綾葉「えー、マジ? 童貞!? キモーイ」


美咲「童貞が許されるのは幼稚園児までだよねー、キャハハハハハハ」




『二人共、どうした』




真紀「そういえば、満君は童貞なのかなぁ?(ニヤニヤ)」


満「どうていって何?」


真紀「……」




   * * * * * * *




裕介「満、俺と付き合ってくれ……///」


満「え?」


裕介「いや、突き合ってくれ……///」


満「ダメだよ……男の子同士でなんて……」


裕介「俺、もう我慢できねぇんだ……///」


満「あっ……///」


裕介「好きだ……満……///」


満「だめぇ……///」


真紀「腐腐腐……♪」




『謎のBL展開&真紀ちゃんが腐女子』




真紀「満君可愛いところとカッコいいところ兼ね揃えてるもんね。男子にも女子にもモテるのよ」


満「……///」




   * * * * * * *




満「これだよ」


満君は立ち止まって膝を下ろしてしゃがむ。私も隣にきてしゃがむ。そしてその花を覗きこむ。これは……


真紀「チューリップ……?」


満「そう。僕の特別な花」


真紀「でも枯れてる……」


満「これは僕のお父さんとお母さんが育ててた花なんだ。二人の愛を象徴するような花だ。でも今はもう枯れてしまった」


真紀「それじゃあ……」


満「あぁ、お父さんは三年前に家を出ていった。二人の愛はもう咲かないんだ……」




『宏一と咲有里の別れが死別ではなく離婚』




満「これは絶対嫌だ! いや、死別でも充分悲しいけど……」


真紀「あの二人は私達に負けないくらいラブラブカップルだものね」




   * * * * * * *




綾葉「では、『満君と真紀ちゃんをくっつけよう大作戦』を決行するにあたって、何かいいアイデアある人?」


裕介「……」


広樹「……」


美咲「……」



 シーン



凛奈「はい! 私達で告白の台詞を考えてあげたらいいと思います!」


四人「(なんでここにいる!?)」


陽真「告白の時に一緒にプレゼントをあげるのもいいんじゃないか?」


四人「(だからなんでここにいる!?)」




『二人共、自分の作品に帰ってください』




満「まさかの友情出演……(笑)」


真紀「これはこれでアリかもね。いつか凛奈ちゃん達とも共演したいわ」




   * * * * * * *




裕介「96回、四人いるから一人24回ずつ引けるな。まずは俺が行こう」


(数十分後)


 ガラガラガラガラガラ


 コロンコロンコロン


裕介「ポケットティッシュ96個目……」




『遊園地のチケットが当たらない』




満「ポケットティッシュ96個って……」


真紀「この後きっと全部使いきるまで泣きじゃくるんでしょうね……」




   * * * * * * *




 ならば、今するしかない。ずっと伝えたかったこと。声に出して言いたかったこと。彼女と出会って、初めて知ったこと。この感情のやり場を……。僕は右腕で涙を拭い、彼女の方へ向く。



満「好きだ、綾葉。君のことが」


綾葉「……え?」




『選ばれたのは、綾葉でした』




綾葉「ごめんね、満君。満君は女子力高くてすごく魅力的だけど、私には裕介がいるから」


満「何だろう、この残念な感じ……」


真紀「何だろう、この安心した感じ……」




   * * * * * * *




 僕は僕らしく今を生きている。真紀と再び会うために、この気持ちを大事に取っておく。大丈夫、僕は忘れない。


満「待っててね、真紀。必ず会いに行くから……」


(84年後)


満「真紀に……会いたかったなぁ……(ポックリ)」




『再会果たせず』




満「やめて……こんなこと考えたくないよ……」


真紀「満君……もっとがんばってよ……」




   * * * * * * *




真紀「これ……手紙……」


私は手紙を手に取って読んだ。




“僕はパンよりもご飯派かな……青葉満”




真紀「こんな時に何よ……(泣)」




『ムードブレイカー満君』




真紀「ちょっ! ここ感動するところなのに!」


満「そうだよ! ちなみに僕は本当はどっちでもいい派だからね」


真紀「それはどうでもいい」




   * * * * * * *




真紀「あら、これでおしまい? なんだか締まらないわねぇ……」


満「作者のネタが早くも尽きたんだって」


真紀「まぁ仕方ないわね。あ、もし他にネタがある読者さんがいたら教えてね♪」


満「回を重ねる度にだんだんテキトーになっていく番外編……」


真紀「番外編なんてこんなもんでしょ。でも本編は違うわよ。笑いあり涙ありの名作なんだから!」


満「それ自分で言っちゃう?」


真紀「いい小説を書くにはまずは自分がその物語に自信をもつことが大事なの!」


満「ふふっ、そうだね」


真紀「今『かみさまの忘れ人』やってるけど、終わったらきっとそれの番外編始まるから、私達のことは更に忘れ去られていくわよ。今私達が生き生きとしてられるのはこの番外編だけなんだから!」


満「うん、でも僕達の恋物語はきっと誰かの心の中に残り続けるはずだよ。番外編が終わっても、僕らの恋は永久に不滅だ」


真紀「そうね。ありがとう、満君」


満「というわけで読者のみなさん」


真紀「これからも『タイム・ラブ』を……」




満&真紀「よろしくお願いします!!!」


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タイム・ラブ 番外編 KMT @kmt1116

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