C noir UC is Life

@RailMiicha0425

最終話

君はいつだって無責任だ。

あんな笑顔撒き散らして、それでその結果これとは。

泣けるね。実際泣いてるし、俺。

あの約束を捨てて、さっさと先にいっちゃうなんて、ほんと酷いよ。

死ぬなんて言わないでよ。愛だなんて言わないで。

「もし、生と死の延長線上にしかないとしても?」

反響する君の声。雪のように美しく、絶対零度の果てのような遠く痛い声。人間の中で最も鋭く美しく…。言葉に出来ないな。

君みたいに言葉に出来たら、俺は君を見ることが出来たのか。いや、無理だな。君の笑顔が写ったメモリーはそれを表してる。明らかにおかしいもの。その涙が喜びか悲しみかもわからないよ。

「君はおかしくないよ」

そう告げていたら結果は変わるのか。願っても帰られない。代えらない。歴史に過去にifはない。畏怖しかないよ。

ポツリ。

ぽたぽたり。

雨か小言か。

世界を染める黒雲はより分からなくなった。



この世界にはもう肉体はない。世界はこれから起こる危機に備えて人の身を捨てて無機物の身となった。そして、人は余程のことがない限り死ななくなった。人間の進化である。不老不死が実現され、世界は同時に進化可能となり人間は有機物であれば幾億とかかる進化を数分で可能にした。

しかし、それは人間を破滅に導く最善の一手であった。

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