第7話

男はその家の玄関に立っていた。

(この家だ。)

静かに庭先にまわる。腰をかがめて窓のそばに近寄っていく。

部屋の中で男は机に伏し、女は睡眠薬を口にしようとしていた。男は勢いよく窓を開ける。男は痩せた女の手首を掴んだ。

(やめなさい)

「やめなさい」

女の手は力一杯、口元に近づけられていた。

「放っておいてください」

(くだらないことをするんじゃない)

「くだらないことをするんじゃない」

女の手に入る力は強かった。

男はふと考えた。それから睡眠薬の瓶を取り中の薬と、女の手の中にある薬を掴んで一気に飲みこんだ。

(思い切ったことをするね)

女は驚いた。そしてその男を心配した。

「救急車!」

女は叫ぶ。

「呼ばなくていい。それより腹が減ったな」

「では何か食べ物を」

(何が食べたいんだ?)

「それじゃ、小さな煮干しを3つ。」




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猫、食われちゃった @bustar1227

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