もしかして なんて未来を少し期待して

もしかして なんて未来を少し期待して

出てきてみたけど ここは寒い


手持ち無沙汰で待っていたら

知らないところへ運ばれた


仲間といっしょに じっと並んで

これから どこに行くのかな


またまた どこかに運ばれて

これはたまらん 極寒の地だ


温められて 大事にされて…

そんな期待はとっくに捨ててたけど

これじゃあ早晩 凍えちゃう


ひとり ふたり と消えてく仲間

焼かれるらしいと もっぱらの噂


焼かれる前に

ずたずたに引きちぎられるだって?


いやいや

いきなり熱い鉄板へ落とされるヤツもいる?


え? 引きちぎられて 焼かれながら

それから さらにぼろぼろに…?


聞くに堪えないひどい話ばかり

いったいボクの運命は!?



ついに ボクに魔の手が伸びる


あーーっという間に 滑り落ちたら

なんだか ここはあったかい


やったぜ ボクは助かった!


だけど 息つく暇もなく

ずたずたに引きちぎられた


温かな白い粒々もろとも

暗い奈落へ さようなら

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