第20話 おまけ 令和の自衛隊が、機甲師団化していて
令和12年、西暦2030年、皇紀2690年5月3日、某国際会議場では、白熱の主張が次々に出ていた。
「自衛隊は、完全な侵略軍となっており、見過ごすことはできません。専守防衛に戦車がいるでしょえか?戦車は、攻撃兵器です!」
女性の国会議員が、叫ぶように主張すれば、軍事に詳しいという評論家が、
「中国などからは、あの様なでかい戦車は対戦車ミサイルのいい目標になるだけだと言っていますよ。」
元米海兵隊員と自称する男性が、
「高価な戦車など必要はない。日本の国土から考えれば、長距離ミサイルに予算を割くべきだ。国連軍参加のためなら、軽武装の装甲車で十分で、このように戦車を装備するのは、何か別の意思を感じる。」
自衛隊幹部を友人に持っているという評論家が、
「陸上自衛隊でも、日本本土では戦車は使えないと言っていますよ。機甲師団は、海外派兵目的だ。」
「中国軍の幹部は、10式戦車を簡単に撃破できる、日本はどうしてこんなものを大量に装備するのか疑問だ、と言って笑っていますよ。」
と司会がコメントすれば、
「そうです。まさに、中国、統一朝鮮など世界中が、日本は侵略を考えていると非難しています。」
と国際関係の専門家が説明した。
陸上自衛隊は、平成27年、西暦2015年編成を6機甲師団(各定数7000名)と20前後の機動部隊(定数2~3000名)とすると政府方針が出された。方針が出ても、かなり少なくなった戦車の数を必要数揃えるまで、当然時間がかかるし、5年間で60両程度生産から5年間で60両程度の生産体制になって久しく、以前の年間60両の生産体制まで持っていくまでだけでも時間がかかる。人的な配置だって、人事異動すれば完了というわけではない。結局15年係ってしまった。各機甲師団は戦車200両と各種装甲車、自走砲からなるが、定員が100%の充足にほど遠いのと同様に、定数割れしている。しかし、6個師団で10式戦車は1000両以上になる。機動部隊は装輪戦闘車が主体であるが、10式戦車も少数保有している。機甲師団も装輪戦闘車を保有している。
「不思議だろう。」
空席の目立つ会場内の席で月読は、隣のサタンに話しかけた。
「え?どこのところを言っているんだい?」
指摘する点はいっぱいありそうだが、どこのことを言っているのかが分からなかった。
「歩兵の精神主義に凝り固まっていたと旧日本陸軍を非難する人間は数多くいるが、陸自師団を総戦車師団化を主張する人間はいないことだよ。」
「やはり日本国内では戦車は、重くて使えないからだろう?」
「それなら、軽量な車両を多数装備して、ぶっ放して、ゴキブリのよ~ににげ~る、とあるマンガの登場人物のような考えを出さなかったのだろうか。戦車砲に限らず、ミサイルいっぱいだっていい。ミサイルはと言うと、歩く歩兵が担ぐ発想じゃないか?隊員の数が限られているから、出来るだけ機械化でという発想が出来ないのだろうか?誰もが、基本的に歩兵だ、自分の足で歩けだ、だよ。」
「やはり、日本に石油が、ないからだろうね。」
「それを言ったら、日本は兵器をもてないよ。狭い国土と言っても、歩いていたら車で1時間足らずでゆけるところに、一日がかりだよ。各種ミサイル装備車の装甲車師団をいうなら判るが、あくまでも歩兵だよ、自分の足で歩く。」
「まあ、そう言われればそうだけど。」
「開発費が、かかるから共同開発だと言うけれども、共同開発は計画の遅延も開発費の大幅増も日常茶飯事だ、米国の開発でも同様だ。安くつくと思うかね。専守防衛なら、武器禁輸なら、その負担を耐えるべきだし、帯に短したすきに長しでもよしとすべきだろう。」
「それは、心神を手っ取り早く、ステレス戦闘機化し、ステレス性能、飛行性能はいいが、航続性能、搭載量には不満が大きいということから、B型、C型と次々開発したことを言うのかい?」
国産ステレス戦闘機は早い時期に保有できたが、C型にいたっても不満が残る機体である。
「そうだよ。事の是非はともかく、全く提案する者がいなかったことはおかしいだろう、本来の歴史の方こそおかしいのではないかい?預金利率をあげて景気回復という珍説がでて、何年間も非難されずに流れ、提唱者も糾弾されなかったのと同様におかしくはないかい。両者とも正しいことを言った人びとがいたのに、その人達は評価されずに、そうでない連中が評価されるのはどうしてだろうね。それは僕がかなり頑張って正しくない連中を守ってやっているから、この程度の差なんだよ。」
サタンはう~さんを続けるしかなかった。
サッちゃんとツキやんの太平洋戦争 確門潜竜 @anjyutiti
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