第19話 閑話休題 4

「基本的には何も変わっていないよ。ただ、日本人の死者が少しばかり少なかっただけかな。ところで、イ400型が5隻建造できた、かつ間に合ったのは、搭載機を2機から3機への変更を行わなかったことやシュノーケル装置設置をより合理的に進めたこと等からであって、介入したからではないよ。いや、介入したからこの程度だったんだよ。」

「少しばかりではないだろう?しかし、君が何度も言ったけど、君が言ったけど、かなり君は介入したと言ったね、できるだけ歴史が変わらないようにするためにと。もし、介入しなかったらどうなったのだろうか?」

 サタンが挑発するような視線を向けた。これに対して、月読は悪戯っぽく微笑んだ。

「見たいかい?やって見てもいいけどね、許可がおりるかな?」

「許可も何も…。許してもらえないだろうね、表だって尋ねられたら。」

「黙ってやってみたら?」

「怒られるだろうね。」

「そこまでしてやらないよ。まあ、こうして生まれた世界の行く末を見ていかないといけないからね。捨てたらいけないからね。たまには、また、見に来てくれたら嬉しいよ。」

 少し疲れた顔を見せながらも月読は言った。サタンも疲れたような顔だったが、微笑んだ顔を向けた。

 彼らの下には、ミズーリ甲板での降伏文書調印のための日本側使節の中にいる山本五十六の姿が見えた。

「これから、どうなるのかな?」

「できているよ。今までと同じように、どうして彼が出てこなければならないだろうと、と思えくるよ、見終わると。」

「そいつは、実に困ったな、実に困るよ、本当に。」

 彼らは複雑な笑い顔を向け合った。

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