くらするーむ2

[21xx年8月21日 8時42分16秒]


「お、おい なんで手代木が自殺してんだよ... あいつ今日の朝も普通に話してたぞ」

「と、とりあえず落ち着け 先生は職員室にいって事情を話し通報する。

 お前らは一旦教室にもどれ」


担任は尋常ではないほど怯えていた

それは生徒が死んだことによる教師としての責任に対する怯えではなく、まるで一度このようなことがあったことに対する怯えのように見える


「なんでだよ なんでだよ 手代木!」

「落ち着けって佐々木」


ふむ 確か佐々木は手代木の彼氏 そりゃぁああなるか しかしうるさい


「誰だ 誰が手代木を殺した?あいつが自殺するわけないだろっ」


そこに担任が帰ってきた。形ばかりの校長も連れている。


「悲しいのはわかるが佐々木 とりあえず教室に戻れ おい吉田、佐々木を連れて

行け」

そして吉田の耳元で「慰めてやれよ」と言った


普通に考えるとこの担任の行動は正しい

だが今は違う手代木は自殺ではない 状況をよく見れば分かる

これは他殺 しかもが手代木を殺した


とりあえず僕も教室に戻る


教室に戻ると佐々木は先程とは打って変わったようにふさぎこんでいた

周りの奴もどうしたらいいのかわからないような顔をしている

そりゃそうだ 

こんな状況で同情まがいの慰みの言葉をかけても相手を激情させるだけだ





サテ、ツギハ ドウスルカ




手代木がずっとふさぎこんでいる

そこに担任と校長がきた       なんか言ってる

たぶん葬式かなんかだろう

「ということで手代木の葬式は明日になった 佐々木辛いだろうが頑張れよ」


馬鹿な担任だ そんなことを言えば...



「あぁ?なんだよ?手代木は自殺じゃねえって」


ほら、こうなる。もう少し先のことを考えて発言してほしい。うるさいのは嫌いだ。

だが佐々木の発言から考えるとどうやら自殺として処理するらしい

校長 金はもってるからなぁ

担任と校長が佐々木を宥めている


「だから、手代木は自殺じゃねえって お前らなんかゴミだ 消えてしまえ」

担任たちに暴言をはきかける佐々木。

気持ちはわかるがうるさい 静かにしてもらおう

僕はゆっくりと佐々木の方へ歩き出した



サテ


//game/#2.izaki go toe to toe with #16.sasaki



僕が佐々木まであと数歩というところで鈍い殴音とともに佐々木が黙った


伊崎が佐々木を殴った

「お前 さっきからうるせぇんだよ 黙れ」

クラスが静まり返った

いつも温厚な伊崎からは考えられないような言葉だった


「なんだよ おまえ っざっけんなよ」


佐々木が急に正気にかえって伊崎を殴った


伊崎と佐々木が殴り合いになった

だがなぜ突然 伊崎は佐々木を殴った?伊崎のいつものなら慰めるはず

全くわからない 

もしかして僕が全く理解できない”恋”というものが絡んでいるのか?

だとしたら僕の手にはおえない

こういうときは......

「おい 西村!起きろ」 


西村 要   下世話な話が好きで情報通だ ただ人が死んでも堂々と眠る

      マイぺースによりあまり好かれていない


「ふぁぁぁ  ん?どうした木戸?なんかようか?」

人が死んでいるというのに呑気なやつだ

まあいい それより

「ああ、聞きたいことがあってな 伊崎と佐々木って仲悪いのか?」

「あいつらかぁ あいつらはアレだ そのぉ 何だったかな?」

こいつ想像以上にめんどくさい

「あっ思い出した もともと伊崎が手代木と付き合ってたんだけどよ、ほら佐々木

 と手代木って幼馴染だろ。そんとき、付き合ってたらしくてさぁ、まぁ高校入って

 別れたんだけどよ、なんか佐々木が手代木の恥ずい写真持ってて、結局ほとんど脅

 すような感じで伊崎と別れさせて付き合ってたらしいぜ」


こんな長文久しぶりに聞いた

ただ流石 情報通である

西村の情報によるとやはり”恋愛”か 面倒だ 

あいつらはまだ殴り合っ

ている そろそろ止めるか




ソロソロカ

//game/kill #16.sasaki@classroom



[21xx年8月21日 9時34分41秒]

佐々木が一瞬で肉塊とした

手足が切り落とされ首が落ちた 

 ボキィ ボキィ ボキ

切り落とされた手からは骨がおれるような音がする

胴体からは血がとどめなく出ている

頬に血飛沫がとんだ



[21xx年8月21日 9時35分54秒]


時間が止まった

痛たましい音と佐々木の死ぬことへの恐怖に対する怯えた叫び声だけが教室に存在した音だった


[21xx年8月21日 9時35分58秒]

「きゃぁぁぁぁ」

時間が動き出した 女子の甲高い叫び声が心なしか絶望の味を含みながら狭いはずの教室に響いた



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