くらするーむ

るーといち

くらするーむ

「ネェ、シンデヨ」

そう言ったあいつは死んだ。あいつも死んだ。あいつも。

もう何人死んだか分からない。

感覚が麻痺している。死ぬことに対して恐怖はない。

もともと42人もいたクラスには、もう僕とアイツしかいない。


そんなことを考えているうちに、地面が目の前に迫っている。






[21xx年8月20日 22時34分51秒]

//game.start// 教室の壁に無機質に表示されたソレはたった一秒後には   

消えてしまっていた。


[21xx年8月21日 8時26分24秒]

「おーい、浩史  お前結局藤村に告ったのかよ〜 昨日あんな大口叩いて」

「あぁ?だまれだまれ カンケーねーだろ」


「でさー、昨日 葵と遊びに行ってー」

「マジ?どこ行ったの?」


「おー おはよ。 元気?」

「うん.....???」




学生とは元来このように分けのわからない話をしているものだ

でも傍から見ると訳がわからなくても本人たちにとってこの会話はなくてはならない

この他愛もない会話は、自分と相手が仲間だと共通認識できるものだからだ


[21xx年8月21日 8時30分00秒]

ホームルームが始まった

「おいお前らー出席とるぞー」担任がきた

「1番 有田」

「はーい」

「2番 伊崎」

「うい」


まだ誰も気付いていない


「24番 塚本」

「はい」

「25番 手代木」

「.........」


25番がいなくなったことに


「あれ 手代木は?」

「さっきまでいたぜー トイレじゃね? 先生女子トイレ覗いてきなよ」


皆が一斉に笑う 手代木をケシタ本人も顔色ひとつ変えず笑う


「あほか おまえは  次いくぞー  26番.......」


あぁ担任の声が遠くに聞こえる...... 寝よう




xxxx1「どう思う?このクラス」

xxxx2「んー?すぐに壊れそうww 何なら皆死んじゃうんじゃないんですかぁ」

xxxx1「とりあえず、始めるか...」

//game.start// Error:the game has alredy started

xxxx1「....」

xxxx2「ん?どうしたんですか?先輩」

xxxx1「すでにゲームがスタートされてる つまり私達以外にこのプログラムを

    使おうとしてこのクラスを実験台しようとしている人がいるということ」

xxxx2「それはマズいですねぇ 明らかに敵対してしまう 今履歴見ます」


checking this classroom server.....

xxxx1「.........」

//game.start// 20.8.21xx 22h.34n.51s

//game/kill.25 teshirogi@rest room

xxxx2「あぁあぁ 一人死んじゃってますね  先輩どうします.......???」


一瞬xxxx2には何が起こったかわからなかった

ただ最後に見た景色は自分の首のない胴体だった


xxxx1「うあぁ」

彼女は一瞬驚いた だがずっと人の死を見てきただけある すぐに落ち着いた

xxxx1「プログラムか」

そういった彼女の足下には、まだ血が吹き出しているxxxx2の首があった




同じ頃、学校内ではトイレで自殺している手代木が見つかった

  


           残り41人

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